ニセモノの光

人前で話す時に2種類の人がいる事に気付いた。一つはエネルギーを放出するタイプ。もう一つはエネルギーを引き込むタイプだ。

私はある時期、会社で事務研修を担当していた。指名制だったり、上司に言われて来たり、自分の意志ではなく受講している人に事務手続を説明してきた。退屈と感じさせないように、来てよかったと思ってもらえるように頑張った。
その過程で自分の熱量で話を聞いてもらおうとエネルギーを放出するタイプの人間になった。例えると、私の体の外側に蛍光灯が付いていて、私がエネルギーを込めると蛍光灯が強く光る、そういうイメージだった。一日話すとグッタリと疲れた。

外部のセミナーに参加して、エネルギーを引き込むような話し方を人々に出会った。エネルギーを放出するというより、引き寄せ、循環させているように見えた。一生懸命エネルギーを放出してカラカラになるのと、エネルギーを循環させながら満たされていくことの違い。
放出するには限界がある。引き込むタイプになりたかったが、どうすればいいのか分からない。

引き込むタイプは自分の中の太陽の熱のような光を発しているのではないかと考えた。自然な光。暖かな太陽の光には寄っていきたくなる。
私は自分の外側を取り巻く蛍光灯を破壊する事にした。蛍光灯をつけている限りは太陽の暖かさが分からない。イメージの中で蛍光灯を壊していく。そうして内側にある太陽の光だけになった時、私自身もゆっくり息ができる気がした。

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