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シーツのシワが教えてくれた事

ICUに移って来た辺りから、吐き気に襲われる.

頭全体がなんとも言えない鈍痛。

両鼻は塞がれているので息を吸うのも一苦労

花粉症で鼻が詰まる経験が有るけれど

それの何倍のつまり感

体は色んなモノに繋がれている。

あぁーーー。終わったんだな。生きてるな。

最初の感想。

はっきり覚めてから、鼻の中からの浸出液なのか?ダラダラと止まらない。

口からの呼吸なので口が乾く上に鼻からも流れて来るのでともかく気持ちが良くない。

術着一枚で急に寒くなったり、暑くなったりと体の反応は忙しい。

痛みも増して、不安も増してくる

看護師は何かあったらすぐに呼んでくださいね

と言ってくれているけれど

深夜、忙しそうに働く気配を感じると気が引ける。

それでも我慢できなくって、水が飲みたい

口の中の物を吐き出したい。

鼻からの浸出液が止まらない

暑い、寒い、痛い。次から次へと不快な気持ちが湧いてくる。

自分でなんとかしようと頑張るけれど

身動きが取れないもので、動けば繋がれたモノが外れたりする、その度にアラームがなるもんだから結果、看護師の手を煩わせてしまう。

ベッドのシーツのシワが波の様になって気持ちが悪いし,そのシワが体重と重なり痛みが出てくるのだ。

母親はベッドのシワ一つ、着ている洋服のシワ一つで褥瘡が出来てしまう

なので、寝る時のシーツのシワにはとても敏感でいつも口煩く言われていた。ちょっとでもシワが寄れば呼び出される。

そんな時、シワぐらいでいちいち呼び出さないでよ。少し我慢できないの?

こちら側に気持ちの余裕が無くなるとこんな喧嘩が絶えずあった。

なんて事。こんなに痛いんだね

そして、人に何かを頼む事がこんなにも煩わしい気持ちになるんだね

あの時、わかってあげられなかった

ごめんね。お母さんごめん。と鼻の奥が術後の痛みなのかなんなか?ツーンとして来て涙が止まらなくなった。

目から涙、鼻から滲出液、口から唾液

今想像するとなんともおぞましい絵面だ。そんな時アラームがなる。

私の体につけたモニターが反応した模様。

看護師現る。

なんでアラームが鳴ったのですか?と聞くと

ストレスを感じると血圧が上昇するんです。痛みや不快な事我慢してませんか?と看護師

なんて事。泣ける。益々泣ける

シーツのシワが痛いのですけど直してもらえますか?

ヒョイッと持ち上げサッと直してくれた。そして水を飲ませてもらって鼻からダダ漏れの滲出液も吹いてもらった。涙も一緒に。

なんて気持ち良いんだろう。シワが無いだけでこんなにも快適だとは。

体験してみるのとしないのとでは本当に違うものだ。

あの時の母親の気持ち、障害者として生きて来た気持ち。本当の所はわかってあげられなかったと思うけど

ほんのり触りの部分がわかった気がしたよ

#末端巨大症
#介護
#母親