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夏の和ハーブ 愛の喜びハマゴウ

お庭のハマゴウとセイヨウニンジンボクの花が咲き始めました。

セイヨウニンジンボク
ハマゴウ

何となく似ているこの2つの植物。
どちらも同じシソ科ハマゴウ属の低木で、花が少なくなる夏に青紫の花を元気に咲かせ、元気をくれる大好きな植物です。

そしてどちらも薬用植物としても知られていますが、効能は違うので、そこがまた個性的で楽しく魅力的です。

ハマゴウもセイヨウニンジンボクも以前はシソ科ではなくクマツヅラ科に分類されていましたが、現在は、シソ科に分類されています。

ハマゴウは、いろいろと使える日本の夏の和ハーブ。そんな和ハーブ、ハマゴウをご紹介。

〈ハマゴウ〉

和名 浜香(はまごう)
英名 beach vitex  
   roundleaf chastetree
別名 ハマハヒ ハマハイ ハマボウ ポーヒナヒナ

シソ科 ハマゴウ属 半常緑低木

学名 Vitex rotundifolia

属名の「Vitex(ヴィテックス)」は、枝で「かご」を編んだことから、ラテン語の「vieo(結ぶ)」が語源。ハマゴウ属を意味する。

種小名の「rotundifolia 」はラテン語の「rotundi(丸い)」+「folia(葉)」で「丸い葉」の意味

草丈 30cm~60cm
花期 7月中旬〜9月初旬
結実 9月〜10月
耐暑性  強
耐寒性 -3度

日本では 関東から南の海岸に自生している植物で、植物全体に独特の香があり、枝や葉と秋の黒く熟した果実には爽やかなミントやハッカ、ユーカリに似た清涼感ある香りがあります。

ハマゴウの名前の由来は、浜に自生しているのと、葉っぱを燃やして香煙(こうえん)を仏様に手向けるお線香として利用していたことから「浜香」が語源になっているとか。他にも茎が浜に這うように広がることから「浜這う」がハマゴウになったというなど諸説あります。

〈食用としての利用〉

熟した実は、乾燥させてお茶としてや、フルーツポンチやマチェドニアやお菓子などの香り付け、ドレッシングやステーキの黒胡椒の代わりにスパイスとして。

葉は生食できるのでデザートやサラダに添えたり、ハーブティーとして利用。

〈食用以外での利用〉

実と茎葉は香りにリラックス効果もあり、神経痛に効く入浴剤として利用できます。

ホワイトセージのように乾燥させた葉を燃やし、場の浄化に利用したり、生葉や茎を燃やし燻した煙を虫除けなどに利用できます。
夏のキャンプなどにぜひ。

ハワイでは、ポーヒナヒナと呼ばれ、海辺に自生するポピュラーな植物で、昔から葉や実を薬草やお香、虫除けに使っていたそうです。

その他にも、ハマゴウの実は枕の素材としても利用されていたそうで、ハマゴウの実で作った枕は、よく眠れると言い伝えられ平安時代の貴族も利用していたとか。


枕を作れる量を採取するのは大変ですが、香りが良くリラックス効果があるので、不眠の方は、安眠を誘うサシェとして枕元に置くのはいかがでしょう?

また、ハマゴウは、民間薬としての利用や漢方の生薬としても知られています。

〈漢方の生薬名〉

蔓荊子(まんけいし)
薬効  頭痛、解熱 鎮痛 鎮静 風邪
薬用部位 乾燥した実
採取  10月〜11月

蔓荊葉(まんけいよう)
薬効  神経痛 腰痛 肩こり
薬用部位 乾燥した開花期の茎葉
採取  7月〜9月

漢方ではハマゴウとミツバハマゴウどちらも果実は蔓荊子と呼ばれ同じに利用。漢方薬の蔓荊子散の主成分として配合され、中耳炎で膿が出る時に使われるそうです。

〈成分〉
実、茎葉には精油成分が含まれており、森の香り成分でもあるα-ピネンやカンフェン、テルピネオール、酢酸エステル、フラボノイドのビテキシカルビンなどが含まれているそうです。

〈民間薬としての利用〉

〈効能〉
神経痛、頭痛、鎮痛、胃痛、不眠症、目の充血など

〈煎じ薬〉
風邪のひきはじめの頭痛、発熱

乾燥した果6〜10gを水400mlで半量になるまで煎じ、1日3回に分け飲用

〈入浴剤〉
神経痛 肩こり 腰痛 関節痛 手足のしびれ 冷え症

生の実、葉を布袋にひとつかみ入れてから湯を沸かす、又はやかんに入れて煮出し入浴剤にして利用。血行促進、保温効果により痛みを緩和する。

様々な効能と癒しの力を秘めたハマゴウの花言葉は「愛の喜び」だそうです。

私には、肉体や精神的に己を酷使している方に、自分を癒し、自己愛を注ぐのに力を与えてくれるハーブのように感じました。

自分を、愛の喜びで満たしてこそ、溢れ出た愛を周りに振り撒き喜びをさらに広げていけるのでは。

浜辺に広がるハマゴウの姿がそんな事を思わせてくれました。

植物で本当にステキ。
今日も自然の恵みに

感謝♾️合掌

参考元

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