小学生がプレゼンをする効果 (1)
こんにちは。
前回お伝えしたように、小学生の子どもにその日の授業内容をテレビ電話で説明してもらい、それに対して大人の聞き手が質問、フィードバック、アドバイスを行うという活動をはじめたところですが、この活動が及ぼす効果を考えてみました。
この効果はいくつもあるので、何回かに分けてお伝えしようと思います。
どうかお付き合いください。
授業で学んだことを子どもが言葉にして説明することには、大きな意義があります。
それは単に学んだ内容を思い出す作業にとどまらず、自らの理解を他者に伝えるという新たな挑戦を伴います。
たとえば、算数の授業で学んだ「かけ算九九」を、家で親に説明する場面を想像してみましょう。
子どもが
「3×4は12だよ」
と自信を持って説明しても、親から
「じゃあ、3×6はどうなる?」
と追加の質問をされたとき、一瞬戸惑うかもしれません。
この瞬間に、子どもは自分がまだ十分に覚えていない段や少し曖昧な理解があることに気づくことができます。
このようなやり取りを通じて、子どもの理解の曖昧さや誤解が明確になるのです。
さらに、大人が
「どうして3×4は12になるの?」
と質問することで、子どもは単に暗記した結果を言うだけでなく、かけ算の概念を考え始めるでしょう。
たとえば、3が4つ集まると12になる、という具体的なイメージを通じて理解が深まり、単なる暗記ではなく「なぜそうなるのか」をしっかりと理解できるようになります。
こうした質問や説明を通じて、子どもはかけ算の構造や意味に対する深い理解を得ていきます。
また、説明するプロセスは、子どもの自信を育てる大きなチャンスでもあります。
たとえば、親や兄弟姉妹にスムーズにかけ算九九を説明できたとき、子どもは
「自分はしっかり覚えたんだ!」
という達成感や自己肯定感を感じるでしょう。
仮にうまく説明できなかった場合でも、親が助け船を出してあげることで、次に向けて学ぶ意欲が高まり、積極的に取り組むようになります。
このように、子どもが授業で学んだ「かけ算九九」を説明することは、単に記憶の確認にとどまらず、理解を深め、曖昧な点を解消し、自信を高め、学びの楽しさを実感させる重要なプロセスなのです。これは「かけ算九九」にとどまらず、子どもが授業で学んだあらゆることに通じるものです。
次回も引き続き、子どもにプレゼンしてもらうことの効果について、別の角度からお伝えしますね。
どうぞお楽しみに。