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juni / 6月

ガストロノミの王子

未曾有の経済好景気を経験し、毎日の生活に豪奢な贅沢品が満ち溢れ始め、ようやく食に目が行き始めた2000年度後半の食文化発展途上国デンマーク。近年、デンマークでは料理への関心が高まっている。テレビでは、数々の海外発料理番組が放映されているが、中でも最近注目を集めているデンマーク(スカンジナビア)発の料理番組ニュー・スカンジナビア・クッキングもある。

偶然番組を見て、そのおいしそうなスカンジナビア料理映像に食欲が掻きたてられた。リム・フィヨルドの牡蠣(Limfjord oysters)とナビゲータ役の方のお手製のディッピングのおいしそうなこと!リム・フィヨルドの牡蠣は、知る人ぞ知るヴェヌーのある西ユランドの名産。食文化砂漠であったデンマーク市場に流れるよりは、フランスなどに送られることが多かったリム・フィヨルドの牡蠣は、地元でもあまり知られてない。そのすばらしいナビゲータ役のデンマーク人男のしゃべりにほれ込み、スカンジナビアの美しい景色と、おいしそうな料理に目を奪われたひと時。こんな映像をみせられたら、誰でもスカンジナビア=食の楽園と考え、ピーター・メイルの紹介する南フランスばかりでなく、スカンジナビアにも住んでみたいと思わされるに違いない。私も一瞬、今の場所を離れてスカンジナビアに住んでみたい錯覚に陥った。おっと、今住んでいるところがスカンジナビアだった。

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ヴェヌー島での豊かな生活の一端を、デンマークの文化とともに皆さんと共有したいと思います。

ヴェヌー島の人たちは、先端技術を上手に利用しながら自然に触れる生活をしています。 季節の変化に繊細に対応し、春の訪れや秋の実りに感謝しなが…

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