スクリーンショット_2019-10-16_04

はじめに

ヴェヌー島は、デンマークに大小500ほどある島のひとつ、ドイツとつながるユトランド半島中部のフィヨルドが作り上げた入江に浮かぶ島です。 数年前、この島の存在ばかりか、デンマークのこともそれほど知らなかった自分が、東京を離れデンマークに移り住み、ヴェヌー島で自然と戯れる生活がはじまりました。

デンマークも世界経済の波に乗り、海外からの簡単便利な道具が次々と導入され、昔ながらの生活が次々と失われていっています。 本や物語の中で見られるデンマークのおとぎの国のすがたは、現実のデンマーク社会の一コマでもあります。ただ、都市の生活ではあまり見られることがなくなっ ているのは確かです。ヴェヌー島の生活ももしかしたら、そんな世界の波にそのうちに呑まれてしまうかもしれない。 そんなことを考えたのが、執筆のきっかけでした。

ヴェヌー島は、橋のかかってない島の一つで、陸からはフェリーに乗らなくてはなりません。 そんなちょっと不便な場所だからこそ、昔ながらのデンマークが残っていて、毎日の生活の中で垣間見らます。 時間がゆっくり流れ、日々の生活を一つひとつ大切に過ごす人たちがいる島。 そのような自然に囲まれ昔ながらの生活を大切にしていると同時に、ヴェヌー島の人たちは、先端技術を上手に利用しながら自然に触れる生活をしています。 季節の変化に繊細に対応し、春の訪れや秋の実りに感謝しながら生活をする人達であると同時に、風力発電を導入したり、ITを導入した先端農業を実践したり、生活を豊かにするために、そして自然と共存するために、うまく技術を使っているのです。 そこでは、技術と生活のバランスを模索し続け、生活をより豊かに過ごす工夫が、毎日の生活の端々に見られます。そんな、豊かな生活の一端を、デンマークの文化とともに皆さんと共有したいと思います。

登場人物

~ヴェヌーでのホスト夫婦のカイとリス~

画像1

会社オーナーのカイ(Kai)は、ストゥーア(Struer)の町にある高級オーディオB&Oの技術者として活躍し、プロジェクトリーダーとして研鑽を積んだのち、コンサルタントに転進。 その後、独立をする。若かりし頃は海兵隊員で、その時に培った操船技術は筋金入り。

画像2

画家のリス(Lis)は、70年代には地元の学校で料理教師をしていたが、20年ほど前に長年の夢を捨てられず芸術家に転身。ヴェヌー島でアトリエを構え、現在、画家活動を行っている。

ヴェヌーを頻繁に訪問する人達

画像3

息子Rune(ルーン)は、コペンハーゲンの大学助教授、30代。ルーンを一言で表すならば、青。 小さな事に感動し、機械に熱中するなど、子供心を忘れない人(いや実は本当に子供なのかも…)。 父親の影響からか、小さい頃から機械いじりが好きで、ラジオの解体をして遊んだという。 ルーンは、一度熱中すると簡単に冷めない。誰かがちょっと拭き掃除をしている所にルーンが参入すると一日掃除日となること多々。 料理やゴミ捨て、掃除機かけもお手の物。 中でもジェレミー・オリバーを思わせる野性味あふれる大胆料理は、美味。

画像4

長女ライラ (Laila)は、生物学者。企業でバイオガスやバイオエタノールの研究をしている。 自然派で、ご主人クリスチャンと一緒に野菜や果物を自宅で育て、自給自足の生活も不可能じゃない?

画像5

ライラの旦那さまクリスチャン(Christian)は、水質エンジニア。 水の浄
水を行うデンマーク企業につとめ、アフリカ、南アメリカ、アジアなど
にもよく行く。 環境保護にも積極的で、自然と戯れる生活のプロフェッ
ショナル。 数ヶ月アマゾン探検をしてた学生時代に、アマゾンの奥地でライラにプロポーズしたとか。 山登り、サバイバルツアーなど、アウトドアスポーツをなんでもこなす北欧系体育会。

画像6

ライラとクリスチャンの子供、リーナ(Lina)、キャスパー(Kasper)、モータン(Morten)。リーナは、両親の学生時代に生まれた子供で両親の結婚式にも参加しています。そんなリーナは、とてもお洒落。優しい長兄のキャスパーと、元気なモータンのにぎやかな3人の子供。

ここから先は

0字
ヴェヌー島での豊かな生活の一端を、デンマークの文化とともに皆さんと共有したいと思います。

ヴェヌー島の人たちは、先端技術を上手に利用しながら自然に触れる生活をしています。 季節の変化に繊細に対応し、春の訪れや秋の実りに感謝しなが…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?