ひとのにおい
タバコの匂いは複雑な気持ちになる。
好きな人が吸ってたら好きになったのかもしれない。
わたしはただ自分から逃げるために、人に好かれようと吸ったことがある。
その時わたしに必要だったドラッグ。
十九、二十歳の時に自分に上手く区切りをつけた。
おかげで今は自分が好きだしこころが健康。
歳をとると体のガタはくるけど、こころが死んでない限りつらさも巻き込んで生きれる。
死んじゃったあの人が吸ってたタバコはもうこの世にはないし、あの時も戻ってこない。
その時は自分にとって大きなことだったのに、今となっては順位が変わる。わたしは自分勝手だし、それでいいと思ってる。人は変わるし、これからもずっと変わり続けたい。
人は死ぬけど、我慢が得意な自分はできれば楽しく生きたい。
夕暮れ時、近所のご飯の支度の音が匂いが漂う。
それに混じって誰かが吸ってるタバコの匂いが風に乗ってくる。
少し思い出して、また忘れて。
そうやって生きてく。
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