あなたの知らない千と千尋 第1回「7つの謎」
「鬼滅の刃」に興行収入が抜かれたとはいえ「千と千尋の神隠し」の人気はいまだ衰えるものがありません。なぜこの映画が、これほどまでに人気があるのか。その理由は、なんといってもミステリアスな要素がいっぱいあることに尽きます。そのミステリアスな部分を担っているのがアニミズムです。
アニミズムとは何か。千と千尋がどうしてこんなにも人気があるのか。映画に隠された謎を探求したいと思います。
七不思議
このアニメはミステリアスな要素満載。そもそも神隠しって何?なんで神様がお風呂に入る?いくらでもある謎の中から今回は七つを選びました。
車に関する謎
神隠しの謎
トンネルの謎
異形の者たちの謎
湯婆と銭婆の謎
カオナシの謎
電車の謎
アニメとはなにか
本題に入る前に「アニメ」についてお話ししましょう。
すっかり日本語になった「アニメ」は「アニメーション」の略語で、コマ撮りによって静止画が動いているように見せる手法のことです。しかし、それだけではなく「生気」「活気」という意味もあります。そもそも、アニメーションの語源が、ラテン語の「アニマ」に由来します。
アニマとは「霊魂」「魂」といった意味があり、動かない絵に魂を吹き込み、生命を与えたものがアニメーションです。
またアニマにイズム(思想・信仰)を足すと「アニミズム」になります。アニミズムとは自然界のすべてのものに固有の霊が宿るという信仰です。
実はこのアニミズムこそが千と千尋の一番のテーマとなっています。アニメーションによるアニミズムの具現化。宮崎駿さんはすごい映画を作りました。
あらすじ
まだご覧になっていない方もいると思うので簡単にあらすじを紹介します。
十歳の少女・荻野千尋が両親(父昭夫・母悠子)と引っ越し先に向かう途中、道に迷い森の中のトンネルに入り不思議な世界に迷い込んでしまいます。そこは八百万の神々の世界でした。両親は神々の食事を勝手に食べた罰として豚にされてしまいます。もとの世界へ帰れなくなった千尋は途方に暮れてしまいます。そんな時、ハクと名乗る謎の少年に助けられ、両親を救い、元の世界へ帰るため、湯婆という魔女が取り仕切る湯屋で働くことになります。仕事をしていくうちに、臆病だった千尋が次第に成長していくというお話です。
さて、物語は引っ越し先に向かう車の場面から始まります。実はこの映画、はじめの十分ぐらいが一番重要でたくさんのメッセージが込められています。
詳しくは次回、次回お楽しみに。
to be continued
大乗山 経王寺「ハスノカホリ no.48」より
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