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さよなら国立劇場~私の好きな1000のもの(143)~

国立劇場はまもなく取り壊されます。

今日は歌舞伎「妹背山婦女庭訓」を見てきました。(ご贔屓米吉の1ヶ月の進化を見るための2回目観劇)

国立劇場ができたのは57年前。私が8歳の時。父が舞台美術の仕事をしていたので、できるときには、家でもそんな話題が出ていたと記憶しています。当時私は日本舞踊を習っていましたが、そのお稽古場では、国立劇場で「おさらい(発表会)」ができたらいいねという話がよく聞かれました。

そして、その7年後国立小劇場で「おさらい」ができることになりました。

それまでの「おさらい」は〇〇会館の舞台で、お正月は「踊り初め」を演目に合わせた自前の着物せ、夏は「浴衣ざらい」をお揃いの浴衣で当時のオープンリールテープから流れる音に合わせて踊るものでした。

国立劇場では衣装も借りて、かつらもつけ、白塗りのお化粧をして、まるで歌舞伎みたいに踊れる機会なのです。最もすごいのは、生演奏。これは本当に心躍る体験なのです。重い衣装、かつらをつけて動きづらい、お客様の人数も多いその場で踊るプレッシャーにも勝るとも劣らない気持ちの良さでした。40年以上も経った今でもその心地よさは体に記憶として残っています。

私はその後、3回、計4回「おさらい」で小劇場で踊ることができました。これは人生の宝だと思っています。

そんな青春のページを彩ってくれた国立劇場に感謝を込めて別れを告げてきました。新しく開場するときまで、生きていることはできなさそうです。
素敵な思い出をいただき、感謝です。

(143) 生演奏で日本舞踊を踊ること

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