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LALALAND Live Concert 夢追い人って言葉がすき。


 2022年8月18日木曜日の初日公演を観に行った。何かに対する情熱と狂気。それをひしひしと感じてテンションが上がっているので、落ち着くためにもまとめておこう。

 LALALANDは、夢を追う2人の男女の物語。女優になるという夢をもつミア、ジャズを救うため自分の店を持ちたいセブ。2人は惹かれ合い、お互いに影響を与えて成長していく。

 前の席ということもあって、作曲家Justin Hurwitz の指揮を間近で見られたのは良かった。拍が正確だし、映画とオーケストラの演奏をピッタリ合わせてくる技に感動。


Another Day Of  Sun


 オープニングの出だしから迫力。実は、前日までミュージカルだとばかり。公式を見ると、若干のコピーの狡猾さを感じつつも、concertという表現に気づいてなかった自分を叱りたい。

 しかし、演奏を聞けば、そんな気持ちは吹き飛んだ。

 渋滞している高速道路で、一つ一つの車から、様々な曲が聴こえてくる。自分だけの世界、それが車の曲として表現されているように思う。そんななか、ある女性の乗った車の曲がオープニングソングとなって流れ出す。

 Another Day Of  Sun。この歌詞に、この物語のテーマが表現されていて、ものすごく刺さる。元気を出したい時はお風呂の中でエンドレス再生しているくらい。

 特に好きな歌詞はこれ。


   And even when the answer’s “no”
      Or when my money’s running low
     The dusty mic and neon glow
     Are all I need 
Another Day Of Sun

    

 どんなにいい結果がでなくても、お金がなくて苦しくても、好きなもののそばにいられれば全然オッケーっていう、無茶振り、若々しいエネルギーに溢れてて、清々しささえ感じられる。

 実際のコンサートでは、オーケストラとダンサーたちで彩られるからたまらない。

 しかし、映画のセリフの音と音楽を切り離しているのだろうか。オーケストラの音が被らないから、セリフのタイミングに合わせて生で演奏しているのかと思うと、グッとくる。




Mia and Sebastian’s Theme

 セブのフリージャズのシーン。偶然ミアも訪れるこのシーンのピアノ演奏、Randy kerbar のソロ演奏できくことができた。

 舞台両脇のディスプレイで、鍵盤が見えた。こういう手の動きを見てしまうと、惚れ惚れしてしまう。

 この曲が後々、伏線になってくるのもいい。ジャズがただの癒しの音楽だと思っていたミアが、セブとの出会いを通して、変化していく。

 セブと映画を観る約束をするも、その日は恋人との先約が。

 事業で成功している様子の恋人の兄。話題は基本ビジネスのことばかり。

 そこに流れてくるレストランのBGM。いままでだったら、気にも留めなかった曲が耳に入ってくる。

 それが、セブが弾いていたジャズだと気づいて、恋人に別れを告げる、ミアの清々しい顔と言ったら。

 レストランのBGMも恐らく生で弾いていたのだと思うのだけど、馴染み過ぎて違和感が全くなかった。



Summer Montage / Madeline


 セブとミアがめでたくカップルになって、夏のテーマ。二人のデートの様子には、セリフはなく、音楽が引っ張っていく。

 ジャズバーでのセッションに続いていく、あのフリージャズ。バスの低音がお腹に響いてくるのも前の席ならでは。

 2階席だと見晴らしもいいのだろうけど、間近で聞いたフリージャズにはかなわないだろう。

 自然なセッションだったけど、音楽がわかる人には、感じ取れる何かがあったのだろうか。



冬、夢と現実ですれ違う2人



 バンドマンとして成功したセブと、一人劇の準備に忙しいミア。生活の安定のために店を持つことをあきらめたセブ、女優への道に進もうと自分自身で脚本を書いて演じるミア。2人の方向は、すれ違っていて悲しい。


 目標の異なる2人は、口論になってしまう、そのシーン。

 映画版では、静かにBGMが流れているだけに感じていたのだが。

 コンサートでは、なんとフリージャズ! 


 サウンドトラックにも入ってない。あの曲は、既存の曲なのか? それとも完全な即興なのか? 映画のBGMと同じ曲だったとしても、やはり音量やリズム感が感じられて全く違うものに感じた。

 まさか、コンサートでそんなことするわけないよなと思いつつも、閉幕の際に、Justin Hurwitzが、フリージャスが素晴らしかったと言ってはいたけど…。

 もう一度、映画を観てみたいが、あの雰囲気を忘れてしまうそうで、まだ観られてない。(知っている方がいたらコメントで教えてください…)



Audition (The Fools Who Dream)


 クライマックスはどこか? 個人的にはこの曲。ミアの1人劇を観た配役エージェントのスカウトで、オーディションを受けることになる。今までのオーディションとは打って変わった雰囲気。本当、チャンスってのは突然にやってくる。


 1人語りをしてほしい、脚本なしの映画の配役を探している。脚本を書き、1人で演じたミアが選ばれるのもわかる。


 上演当初は失敗しても、それが後にどう繋がるのかはわからない。

 その状況からしても、グッとくるジーン。


 とにかく歌詞がいい。


She told me:
“A bit of madness is key
To give us new colors to see

Who knows where it will lead us?
And that's why they need us”

So bring on the rebels
The ripples from pebbles
The painters,and poets,and plays
 
And here's to the fools who dream
Crazy,as they may seem

Here's to the hearts that break
Here's to the mess we make
Audition (The Fools Who Dream)


 誰かの狂気が、誰かの情熱となってその人を突き動かす。

 叔母の言葉、ミアの言葉でもあるけど、脚本家の言葉でもあって、このララランドは、ハリウッドでミュージカル映画を撮るという、理想の狂気の塊みたいなもんだよなと。


 先人の狂気が、後人の誰かを動かす。夢追い人を鼓舞する歌詞だと思う。


Encore


 フリージャズを披露してくれた。

 Twitterで調べるとどうやら、City Of Stars。

 興奮しすぎたせいか、記憶が飛んでしまっているのだが。原曲はしんみりしちゃうけど、めっちゃノリノリだったので、きっと素敵だった。

 なかなか見えなかった、金管楽器バンドの人たちがクローズアップされてよかった。


 フリージャズの良さを知って、聴きに行けたらいーなーと思う。それよかサボりにサボっているバイオリン に少しは手を触れてみるか…。



アンコール 

    
 おわり。


























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