ふっくらすずめクラブに続く、平成のお友達コンテンツを探して…。
ウェブメディア、オモコロのライターたちによるYouTubeチャンネル、
ふっくらすずめクラブが終わってしまった。悲しい!
すごいコアなファンというには烏滸がましいくらいで、気になったものをたまに見るというライト層なので、お前みたいなやつがチャンネルを語るな…と言われてもしょうがない。
でも、ふっくらすずめクラブっていう面白いYouTubeチャンネルがあったんだよ!?って言えるくらいの、アーカイブを残しておく気持ちはある。
ほぼ同い年の活躍をただ楽しく見ていた人の話をまとめておく。
オモコロは、コンプラが無いフィクション
オモコロチャンネルとの比較は、避けられない。たぶん、今回の撤退も、オモコロチャンネルがあるからなんだろう。
オモコロチャンネルは、バーグバーグバーグの副社長と、ウェブメディアのオモコロ編集長、副編集長と、オモコロブロス編集、ライターのメンバーで構成されている。
インターネットミームなどのネタはもちろん、
小学生が好きそうな下ネタ、理不尽な怒声などコンプラなんてないような会話も繰り広げられて面白いチャンネルだ。
インターネットに疎い自分でも程よく楽しめているのは、会社で役職ある立場でありながらも、歯に衣着せぬ物言いで展開してくれているところが大きい。
大の社会人がうんこを連呼するなどの演出には、個人的には下ネタはたまに辟易させられるものの、
進行役の副社長が、部下に怒声を浴びせているようにみせる演出あって、面白い。
どれも、コンプライアンスを重視する社会に至ってはなかなか見られないだろう。
会社の立場を背負いつつも、自由に振る舞っているように見せる演出は、フィクションでありエンターテインメントである。
じゃあ、その反対の、ふっくらすずめグラブはどんなフィクションを提供していたのだろうか?
ふっくらすずめグラブは、平成お友達コンテンツ。
フラットな関係性
4人からスタートして途中から新メンバーが加わって5人でやっていたわけだが。
社歴は違うとはいえ、年齢も近くディレクション職でもあって、同僚で構成されているメンバーだ。
上司がいないコンテンツであるのは、
オモコロとは対照的だ。
ふっくらすずめクラブは、会社の同僚たちが仲良くしている(実際にそうではある)のだが、
それが演出として効いているチャンネルだった。
また、女性がいることからも小気味よい応酬があってそれも愉快だった。
小学生レベルの下ネタが出る中、女性から「菊の花」のワードがきて、男性陣がたじたじになる感じとか面白い。
そう、ふっくらすずめクラブのメンバーは対等であった。時に怒鳴なり、抗うこともあるが、謝ったり慰めあったり仲直りしたりするのだ。
これはかなり自覚的にやってたんだろう。新年度の4月1日に突如チャンネル名が「会社にしか友達がいない」に変わったことからも伝わってくる。
当初はエイプリルフールか? なども言われてたけど。
「会社にしか友だちがいない」を、認められないという現実。
色々あって、チャンネル名はもとのふっくらすずめクラブに戻ったわけだが。
言い得て妙だな…と今なら思う。
これは実感なのだけど、
30代大人のお友達事情は、かなりシビヤじゃないだろうか??
学生時代の友人たちは、結婚したり子どもが生まれたりして人間関係のフェーズに変化が現れはじめる。
プライベート以外でも、仲間内では昇進だ役職だと仕事の質が変化してくる。
気軽に誘われたり、誘ったりする機会も減って…みたいなのが30代だ。
大人になってから、今の自分にピッタリなお友達を作るのは恋人を作るよりもハードルが高いんじゃないだろうか??
推し活や趣味で人間関係を培える、そういう場合もあるかもしれない。
友達を作りたいから推し活をする、というのも間違いではないだろう。
まずは、リソースの少ないところから始めるとすると、定期的に顔を合わして、適度に会話を交わせる人間関係で、お友達を探すとしたら、
それは職場、会社しか現代では考えられない。
だけれど、会社で友達を作るなんて、ビジネスとプライベートも過ごしたくないという人も少なくないはずだ。
そう。現代では、会社でも友達を作るのはかなり難しいのだ。
だが、どうだろう?
ふっくらすずめクラブはまさに、会社でお友達フィクションを提供してくれたのだ!
「会社にしか友だちがいない」は、お友達コンテンツであることをはっきりさせるいいタイトルであった。
けれど、それに安らぎを求めている視聴者が納得できるか…というと難しい。
なぜなら、そう簡単に人は「会社にしか友だちがいない」なんて認められないし、
そもそも「会社にも友だちがいない」人はどうしたらいいのか…と現実に引き戻されてしまうのだから。
中堅のお仕事
メンバーのほとんどがディレクション職であることからも、会社のなかでも中間管理職の立場にあるとわかる。
今回終わる理由として、収益があげられなかったからと言っていたが、
会社内の業務進行、後進育成、人件費等の諸経費を想像するにつけても、
動画コンテンツを続けるよりは、会社業務を優先するほうが妥当だったのだろう。
経費削減のために、毎日更新でライトな動画を回していくの方法で軌道に乗り始めていたなかでの決断は、やはり会社コンテンツならではだ。
オモコロチャンネルを通しては、きっと現れてこなかったこのメンバー間のフレンドシップを、またどこかで見られたらな…と思ってやまない。
お化粧動画は、化粧の楽しさを感じたし、
留年、無職動画には心底安心感を覚えた!
めっちゃ音楽の素養なんなの?って気になったし、
ツッコミあってのふっくらだなと思った!
オモコロでは変な要素しか見えなかったのに、素だとめっちゃいい人だった。
おわり。