小説つばるからの依頼　梗概

　第二回の課題は「小説つばるの依頼」。今回は講義までに読み終わらなかったので残念だった。けれど、講義内容と合わせて考えてみると、作家や編集者の評価基準がわかってきた。

１　梗概感想

　読んでいてわからなかったところ、面白かったところをまとめて書いた。◉は選ばれそうな梗概につけた。講義の指摘は一度置いて読んでみたけれど、読みが浅くてまだまだなんだなぁと反省した。

栗都さん　はじめから自分の出自を知らないバイオコンピューターが施設から逃げていき、人と出会う中で自分とは何かを探る…という展開だったら謎解きもあっていい気がする。

今野さん　夢がない、語れない人へのエール。夢はなくてもいいのだ、というものとして読んだ。

千早さん　ロボットが自分の代わりに生き続けていく、それも今までの自分以上に受け入れられる。進藤はこの状況について、どう受け止めていたのか気になった。

六角さん　ぼくらが神で、子たちの様子を見ているということだろうか。　ぼくらと子の形状はどんな形状をしているのか。気になる。

夢想さん　対象がすり替わる感じが面白い。家に捕まったのは友田家なわけだが、どうやって肇君は友田家に入ることができたのか？　肇君も同じように誰かを捕まえればいいわけだが、肇君はそれをしていない様子だ。　

あいださん　アヤが語る作中作と、アヤ目線の話が交互に来る構成で、まとまっていてよみやすかった。

フジキさん　ゾンビになった経緯を遡るたびに、人間の思考力に近づいていく。それと人喰い家。怖いものというよりコメディのように感じた。家SFか？

原田さん　◉ 家SF。家があなたをどう語るのかも興味深い。和風ゴシックホラー。じわじわ怖くなりそうで、実作を読んでみたい。

長谷川さん　参考文献が面白そう。　シナリオを実装する物語機関とはどういうことなのだろうか。ゲームになるということだが、デザイノイドはゲームではない気がする。

駆乱さん　全く関係ないのだが、都市伝説の猫肉の話を思い出した。路線が同じなので、元住吉のワードには親しみを感じた。

方野さん　老婦人は3度、エリカを失った。本物のエリカ、記憶とは違うエリカ、ロボットのエリカ。老婦人は発狂していたのだろう。

岸辺さん　二足歩行の馬や犬のようなオニがいて、ほかにも何種類かいるようだ。沖縄の妖怪とか、何か関連性があるんだろうか。

岸田さん　ユキと妻は別々の命題宇宙に存在する、同じだが同じではない存在と読んだ。そうすると、私は、若い頃の妻と不倫していたということだろうか。お姉ちゃんとは何者なのか。

田場狩さん　◉　面白かった。宇宙人たちにマナーを講義するというアイディアもユニークだ。後半の展開も、あり得そうだ。

西村さん　時間遡行して、創作活動をしているということまで分かった。後半の展開が話の中心になると思った。

茂木さん　射撃体験を元にしているということで、どう書かれるのか気になった。政治的な背景とは何か。

中野さん　キルが賢者側に簡単についてしまうなと思ったが、後半で納得した。読みやすい。『楽園追放』を思い出した。

根岸さん　アーケルの人工知能の技術が、社会的にどのように使われているのか気になった。接続された女を思い出した。

園田さん　本に纏わる記憶を知ることができるというアイディアは面白かった。なぜ国語辞典なのか気になる。

西岡さん　宇宙の果てに実際に行って欲しいなと思う。そこで妻との仲直りができたらシュールさが引き立つ気がする。

岡嶋さん　ゴーストや式島のキャラクターがユニーク。ゴーストが捜査に協力することを条件に、式島がゴーストの欲求に嫌々応えるシーンがあると面白くなりそう。

本所さん　コズエさんが社会的にどれくらい珍しいのか気になった。パルの口調が可愛い。

ささきさん　彼女の行動が突然のような気がした。犬とは梗概だけではわからなかった。

織名さん　性は男性、女性、それとも両性具有のどれを選択するのか。群司は主にどの性なのか。

伊達さん　映画herを思い出した。性欲が管理されている故に、AIとの疑似恋愛も広まったのだろうか。

かわのさん　主人公がいつどこで恋に落ちたのかよくわからなかった。死んだ恋人からの手紙を思い出した。

矢貫さん　SF作家がどんなシナリオを書いていくのか気になる。

赤崎さん　読みやすかった。マナー講座と同じでいろんな宇宙人に対応したサービスが描かれると面白い。

山森さん　亜空間航送と宗教的な問題が合わさっていて、世界観が面白い。裏返ってしまったシーンを読んでみたい。

去場さん　◉ ユーモアがあって楽しい。読みやすい梗概だった。モノはモノどうしで繁殖するのだろうか？

継名さん　老師と具体的にどんな関係だったのか、それを元に解ける謎とはどんなものなのか気になった。

馬屋さん　なぜ月にカビが生えたのだろうか。これは男が持っていた黒い石と関係があるのか？

和崎さん　どうタイムトラベルが行われているのか。手紙が届いているとしたら、恭子は青葉は自分を好きだと知りつつ、別の男の子と結婚するよう迫ったのだろうか？？

邸さん　面白かった。ロボットが海に落ちていくイメージが綺麗。高評価を得ようとするのは健気な感じがする。

矢野さん　実際の合唱祭はどうなったのか。森本は柳瀬と歌うことはなかったのか？　少年ノートを思い出す。

牧野さん　ランクの高い人ほど美しい顔が求められるというのは面白い。整形だけど、パーツを奪うという内容がよくわからなかった。

吉羽さん　面白かった。妖精を飼育していると、知らないうちに体が変化しているというのはホラー。

2 まとめ

　講義との評価を比較して考えてみると、背景がしっかりした梗概を深くまで読めてない。あと、梗概大賞を取った梗概を評価できてなかった。改めて読んでみると、どの梗概も時代背景から場所、登場人物の紹介の順番で述べられているように思った。感情の表現も的確だし、一文が短いのも読みやすさに影響している。登場人物の説明から書いてしまいがちなので、次は気をつけたい。

　# SF創作講座 #小説