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借りてきたネコは恋をする SF創作講座感想





好きな1行

 花子、ダチ美、さかなマン、クロ恵、コンタ、ナマ子、ネズミ少年、それに……ネコ娘。 

 ぞくり、と背筋がふるえた。価値観の転倒。


感想

 人類は、別の生物の遺伝子を借りて生きている。ネコの遺伝子を借りた、ネコ娘は、植物の遺伝子を借りた、植物男子に恋をする。ネズミの遺伝子を借りた、ネズミ男子は、猫に恋をする。スクールカウンセラーSCは、人類の血を受け継いだ純血者だ。しかしだからといって、特異であるというわけではない。
 
 登場人物たちに固有名詞がないこと。登場人物たちは、借りてきた遺伝子の、生命の代表者なのかもしれない。この学校は、種の成長の過程を管理するための、人工知能によって作られた場所なのだ。

 この1行は、そこに関連しているように思う。人もまた生き物たちに生かせられている。見られているという捉え方は面白い。
 植物男子の、ちょっと悟った感じが好きだ。それぞれの生命のイメージにあった、登場人物の性格はとてもユニークだ。




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