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死への根源的恐怖

死への根源的恐怖
死への根源的恐怖について。
わたしはなぜ死ぬのが怖いのだろう。

幼稚園の年長、つまり6歳弱の時、わたしは死への恐怖を知った。きっかけは覚えてないし、恐らく何もない。ただ、どこからか、あるいは元から本能として備わっていたのだろうか。
ある日突然、死ぬことが怖くなったのである。

今日、『キャラクター』という映画を見た。少し気になっていた作品で、Amazon primeで無料で見れたので何気なく見始めた。

ある日、殺人現場に遭遇してしまった漫画家が、殺人鬼にキャラクターを見出し、作品を生み出した。
そのストーリーに、殺人鬼は魅了された。
彼は、漫画通りの殺人を行う。まさに、キャラクターのように。

途中、何度か「死」を描写する場面が出てくる。作品でも、現実でも。

その時、普段動かないわたしの感情が動く。それが恐怖なのか、何なのか、自分でもわからない。
得体の知れない感覚。正体がつかめない。
私は多くの感情をいつも小説からインプットしている。もちろん、自分自身の経験に基づいた感情はあるが、きっとわたしは人よりも感情の質が悪い。薄くて、白々しい。そして、すぐに消えていく。だからわからないのだ。
みんな、本当はどうやって感情を表すのか、この場面ではどう言った感情になるのが正解なのか、わたしはきっと知っているけど理解していない。
自分なのにまるで他人なのだ。それこそ、漫画を見る読者のような、そんな第三者の視点。

だけど、「死」だけは違う。
これだけは誰にも教わっていない。
他の感情はみんな周囲や本やメディアが教えてくれるけど、「死」だけはみんな知らない。だから、わからない。私の中で知らない死に対する根源的な恐怖を感じる。しかし、それが恐怖なのかも不確かだ。
生まれてから自分の力だけで気付いたのは、この死に対する得体の知れない感情だけ。

死ぬ時に何を感じるんだろう。
死ぬ時はどれほど痛いのだろう。
死ぬ時はどれほど苦しいのだろう。
死ぬ時はいつなのだろう。

すべてを理解するとき、私は死んでいる。
他の誰でもない私が自分の死に対する感情を知るのは、いつになるのだろうか。

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