これからの建築士~職能を広げる17の取り組み~を読んで

この本では「これからの建築士賞」で1次審査を通過した17つのプロジェクトを紹介している。これまでのように新築で建物をつくっていくだけでなく、新たな取り組みをした事例を紹介している。この事例を通して、今後の建築士はどうなっていくのかを深く書いてある。それは、“情報化が進み建築家が領域を横断して活躍していく”などに加えて、建築士の定義から考えて言っている。
建築士とはこの本では建築士法を要約し「特定の場所で、設計を中心とした行為を、関係性の中で担う」としている。今後の建築士で変化していくのは、“関係性”“設計”“場所”の3つだ。
関係性とは、これまでは「設計、工事管理」などだったが、これからはその先の運営しその先に展開していくことも建築士には必要だろう。このようにエンドユーザーに近づくこともある。一方、この本では“チーム ティンバランズ”が紹介されており、木で都市システムを構築しようとしている。そのため、エンドユーザーとの距離は遠くなることもある。
設計ではこれまでは形態デザインだったが、これからはもっと幅広くなる。ここで紹介したいのが、“木箱212構法”だ。これは企画部材2×12材を用いて、作り方まで作り出した構法だ。木材の輸入から施工までを提案し、新たな家づくりの“プロトタイプ”を作りだしたと思う。
最後に場所だ。これまでは敷地内だけをデザインすればよかったが、これからはその外のまちまで考慮してデザインしなければならない。また、環境的に配慮し地球規模まで考慮しなければならない。“防災ワーキンググループ”の事例では地域の人と防災を通じて街全体を設計している。

<681字>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?