リノベーションプラス~拡張する建築家の職能~

 “リノベーションの核心にあるテーマは人の生き方だ”この本はこのような冒頭で始まる。この本では、そのリノベーションを新たな仕事の領域にし始めた建築関係にインタヴューした内容で構成している。また、インタヴューを抽象化し、メディアへ、都市へ、事業計画へ、不動産へ、運営へ、施工へ、法規への仕組みへアプローチし、建築家の職能を変えていった事例を紹介している。今回はその中でも、私が興奮した事例を2つ紹介する。
1.都市へのアプローチ“403architecture dajiba”
 彼らは、浜松を中心に活動し都市に住み着いて建築で都市ごと変えていっている。そのインタヴューで私は「建築の遅さ」が都市を変えるきっかけになったと思いました。
 この資本主義経済では早いのがいいのですが、建築はとてつもなく遅い。しかし、この遅いことによって、そのプロジェクトの中で色々な人々を巻き込んでいける。都市に根付いて活動することで、建築の遅さをプラスに変えていける。
2.不動産へのアプローチ“ブルースタジオ”
 このインタヴューで大島さんは“リノベーションが事業家したのは社会情勢の変化”と行っていました。不動産の観点ではバブル崩壊後、土地至上主義から建築の収益性にビジネスがシフトし、不動産の短期活用が主流となってしまった。しかし、リーマンショックによって自己保有の不動産が増加し、長期活用が見込まれた。そこで大島さんはマンションを150万円でリノベし月8万を月12万にすることで、不動産の長期的なバリューアップに繋がった。

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今回はいつもより表層しか書いていません。かなり一押しの本なので興味があったら是非読んでください。

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