足るを知る

私は悩んだ
前日に確認の連絡を入れておこうか
それとも当日に直で電話をしようか
万が一電話をしてあの人が出たら、と想像したら、無理だ、メールにしよう
前日に確認のメールをすることにした
明日はおれ休暇をもらってるけど、良かったかな
って
反射的に返事をしてしまったら
良くないですけどって答えてしまいそうだったから
しばらく放っておいた
なんてタイミングが悪いんだろう
7か月ぶりなのに、よりによってその日に休みでいないなんて
やっぱりそんなもんなんだなぁ
縁がないんだよ
悲しかった
ホントにどうにもなれないんだなと諦めの境地だった
もうしょうがないよ
明日いないにしても、貢献はできて、それは伝わってるんだから
もうホントに最後にしよう
長かった片想いもこれで終わりです
じゃあやめとくなんて言いません
しばらく不貞腐れてそのうち忘れます
と返した

次の日時間通りに向かう
他の人とやりとりをしていると、後ろから
ありがとう
振り返るとあの人の姿
えーーーーー、なんで？
休むのやめた
って
びっくりした、油断してたから心臓止まるかと思った
帰り際覗いてみると、こっちを向いて立っていた
手を振ってくれた
今思い返すと、その時の服装は明らかに違和感があった
上は制服、下と靴は私服のようだった
とてもチグハグとしていた
もしかしたら、その時間だけ来てくれたのかもしれない
そんな期待を抱かせる違和感だった
うれしかった
縁がないことないんだな
前もそうだった
前に会ったときもその前に連絡した時には
俺が休みの日だって言ってた
でも行ったら、いた
その日はたまたまだと思った
そのたまたまそうなったことに神様のいたずらというか、縁を感じた
どういうことなんだろう
そんなに大した意味もないことなんだろうな
私が勝手に意味を持たせたがってるだけ
それからもメールを送ってみるけど、なんだかつれない感じですごく悲しくなってしまう
あれは何なったんだと思ってしまう
相手の事情はわからない
私からするとメールくらい送れないかな、と思うけど、それは私の価値観で人それぞれだから
だから私はないことを嘆くのではなく、してくれたことを抱きしめて生きていこうと思います