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詩32 夜の歌より

夜の歌より

雨が紐の垂れる
紐で布を縫ひ合はす
紐の細ひ
音のかはきの近くへ
寄せ その
紐の垂れる
音を雨に濡らしてゐる
紙があり
紙のうへを
身の内側の星の漂ふ
その星を手と
指先の紐より
色づけ 潜め
紙さへ布に
変へるくらひ
雨が降り 降り頻り
紐のかはひた
こゑの行き交ふ夜の暗さです

/小倉信夫

#礫



2022年1月28日に、詩人の和合亮一さんが Twitter で行った企画、詩の礫「Ladder」に参加しました。そこに投稿した詩です。

 ※ Ladder =梯子
 ※新型コロナウイルス感染症に惹起された現況を「有事」と考えて創作物をツイートする企画です。
 ※作者名と題を付しました。

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