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詩33 その日のほとりより/あこがれ

その日のほとりより

日の光の明るく
ほど近ひ
窓よりここと
此所から見てとても高ひ
空へ
あまり明るく光の
さざなんでゐる
その色の
手ざはりは
幽かに黄色く
さやに
やはらかひため
風景を明るませるこの
日の在り方から
けふを
春の近くの日と時と知り
あるひは冬を
冬の命の寂しひこゑを 尊び 恐れ 惜しんだ

/小倉信夫

#礫


あこがれ

時を心へ
やうやくその心の手より
触れ得て
心波立つ思ひもしつつ
しかし宵の頃の
日はやはらかく
こゑを身へ
繰り返し
たゆたはすつど
日の薫る
この時の経つ
今は寂しひ
時の
内のひとの瞳は
幽かに頬を
瀬のやうに
青く撫で 今を
やはり寂しんでゐてほしひ

/小倉信夫

#礫



2022年2月25日に、詩人の和合亮一さんが Twitter で行った企画、詩の礫「Ladder」に参加しました。そこに投稿した詩です。

 ※ Ladder =梯子
 ※新型コロナウイルス感染症に惹起された現況を「有事」と考えて創作物をツイートする企画です。
 ※題を付しました。

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