素直になること

わたしは、自分が悪いことをした時、わかっていても素直に謝れない。謝らないですむならできるだけ謝りたくない。たぶん人生で「ごめんなさい」と相手に伝えた経験は数えるくらいしかない。悪いとはわかっている、心の中ではめっちゃ謝っている。落ち込んでいる様子で相手に反省していることが伝わるならできるだけそうしてきた。ただ、自分が悪かったという事を自分の口から認めたくないのだ。だけどそれが本当に相手に伝わっているかどうかは自分にも分からないから、長いこと気分は晴れない。まだ怒っているかどうか様子をうかがいビクビクしていなければならない。
だれでも怒られるのは嫌だろうと思うが、怒られることが平気な人もいる。サラッと軽く（決して反省していないという意味ではない）ごめんなさいを言い終わって、次へ気持ちを切り替えられる人が羨ましい。だから、そんな自分をやめたいな〜と思っていた。

そんななか、先日相手を怒らせる失態をしてしまい、翌日にそれをなんとかしようとしてまたやらかしてしまうという自体を引き起こしてしまい、どうしよう、これはヤバい…という窮地に陥った。心臓の高鳴りが早まって落ち着いてくれない。こんな苦しい思いをするのなら正直に話して先に謝ってしまおうと思った。きっと気分が楽になるはずだ。

今までの私なら絶対に取らなかった行動だ。普段は家族や友人なので言葉にしなくても許してくれるとどこかで思っていた。実際、相手が忘れてしまったり時間が解決することがほとんどだったけど、こちらから素直に謝ってみると、相手は意外とすんなり受け入れてくれた。怒られると思っていたので拍子抜けだった。原因もそうだが、きっと「ごめんなさい」が無いことに怒っていたのだろう。私は毎回こんな簡単なことに心臓をドギマギさせていたのか。

それでもやっぱり謝るっていうのはバツが悪い。自分が悪かったことを話している間も心臓はドキドキするし、さらに声が小さくなってしまうので相手が聞き取れずもう一度話すはめになるという非常にいたたまれない瞬間だ。