カレーなしよ（木更津　弁当としまや）茶色い千葉のお弁当。

千葉県民ならみんな知っている、いや、最近では若い世代は徐々に知らなくなってきているのであろうか。
千葉で展開するローカル弁当チェーンの雄が

「としまや」

だ。

ひなびた千葉の街道沿いにぽっつり建つオレンジ色の屋根と大きな弁当の文字の看板。写真を見て、ああ、あそこか、と思い出す人もいるかもしれない。どこも古い弁当店でプレナスのあそこやオリジングループのようなパリッとしたチェーン然とした雰囲気はない。そこがとても気に入っている。

大体どこの店でも白い給食服のおばちゃんが出てきて会計をしてくれる。
朴訥とした平台の上に無造作に弁当が並ぶ。わりと茶色っぽい弁当が多い気がするのは気のせいか。

大好きな、

「ミックス弁当」

があった。うれしい。

としまや名物が３種、ごはんの上に幸せに並ぶワイルドかつシンプルな弁当。こういうのはあっためないで食べるのがいい。この日のはほのかに温かく、それもまたうれしい。出来立てだったようだ。

そうそう、店を出る前に忘れちゃいけない、無料の味噌汁を自分で鍋からカップにすくってフタをして持ち帰ることを忘れてはいけない。タダで味噌汁の幸せと言ったらない。

さて、食べよう。

フライはイカフライ。濃いめの特製あまからダレがかかっていて、それがたまらない。

豚の焼肉も、これも濃い味でごはん泥棒だ。チャーシュー。としまやのチャーシューのファンも千葉県民には多いと聞く。これもあまから。全部あまから、そして濃い味。ああ、たまらない。

野菜も愛も、足りないような気がしないでもないが、いや、愛はたっぷり入っていると思う。

この味、このちょいと雑で濃い味は、なんというかいい意味での千葉を体現している気がするのだ。
そして、なぜだか台湾の鉄道弁当を思い起こさせるところもあると感じる。

海に大きく面している地域の人たちは、おおらかだ。

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