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 東京一極集中問題と多極集中型社会

 noteクリエイターの花やんです。「地元地域発信マガジン」スタートします。しばらくの間は、無料でお届けしたいと思います。

 初回のテーマは、「東京一極集中の本質的な打破と地方の魅力発掘 」についてテーマをお話します。かなり長文ですが、最後まで読んでいただけら嬉しいです。


地方の衰退と加速する東京一極集中

東京一極集中の現状

 皆さんご存知の通り、戦後から今日に至るまで、日本は東京一極集中が進んでいます。戦後高度経済成長期から急速に人口が爆発的に増え、一時期は地方から東京圏を中心に転入者がピークを迎えたこともありました。

 今は少子高齢化などの要因によって、東京への転入者は一時期より減っています。しかしながら、それでも流入の流れは変わっていません。

 その流れの影響は京阪神大都市圏・中京大都市圏にも及んでおり、両大都市圏からも流出している現状です。

そんな中、東京一極集中によるリスクも以下の3つが中心に出てきました。

  1. 首都直下型地震をはじめとした自然災害による首都機能の低下

  2. 感染症・安全保障環境の変化によるリスク

  3. 高齢化による都市インフラの劣化の加速 このほかにも問題は出てきています。

1.首都直下型地震をはじめとした自然災害による首都機能の低下
 今後70~80%の確率で起こるとされている首都直下型地震による予想死者数は2万3千人に及びます。

 首相官邸を始め、中央政府の機能の低下は当然避けられません。大手企業の本社本店も集中しているため、経済への影響は避けられません。

 経済損失が95兆円に達する予測が出ています。日本全体に長期的な悪影響が出ることは避けられません。それを防ぐために、大阪を副首都にする対策が進められているほどです。早急に対策が求められます。

2. 感染症・安全保障環境の変化によるリスク 
 今回のコロナによって複数回の緊急事態宣言が東京を中心に発令されました。それによる経済的損失もかなりのものがあります。

 人口が東京に集中したことによる医療ひっ迫も問題化しました。これが致死率がとても高い強毒性のウイルスだった場合、今回の比どころですみません。 

 日本近海の安全保障変化も見過ごせません。中国・北朝鮮・ロシアと、警戒しないといけない国があります。その国からしたら東京は格好の標的と見られるのは普通だと思います。即東京を攻撃することは決してしないと思います。

 日本とのこれからの外交・防衛関係において、軋轢が激しくなれば可能性はあります。もしそうなれば首都圏の3500万人超の国民が命の危険にさらされます。それは政治・経済的にもリスクです。

3. 高齢化による都市インフラの劣化 
 首都圏でも高齢化が進めば、それを維持するためのインフラ整備や人員が不足してきます。そうなると上下水道・電力・ガス・通信の劣化がより一層進む懸念も出てきます。

 ただでさえ上水道は、高度経済成長期に敷設した水道管が劣化の危機に直面しています。ただ、この分野は最先端技術への代替を進めることで対応できるかもしれません。しかしそれでも対応しきれない可能性もあります。
 
 今述べた3つのリスク以外にもあると思います。そのぐらい東京一極集中は、問題となっているのです。
 

 2020年からのコロナで、地方への移住が盛り上がりました。しかし一時的な変化にしかならず、再び一極集中が進みつつあります。そんな中でも政府は少子高齢化対策と合わせて以下を含めた施策を進めています。

  •  首都圏からの移住する人への支援金

  •  移住支援制度を拡充

  •  地域まちおこし協力隊創設 

  •  首都機能の一部移転(京都への文化庁移転等)など

 しかしこれらの施策の効果が、データとして現れていると言い難いのが現状です。

 制度の周知がそこまで徹底されていなかったり、そもそも小手先の制度設計となっていて、施策が有効に機能していないことが挙げられます。これでは時間を無駄にしており、根本的な解決になっていません。

地方衰退の現状

 そのような東京一極集中により、地方から東京に若者が流出する流れが止まる気配はありません。

 日本創生会議からは、2040年には800以上の市区町村が消滅するという予測も出ています。あくまで予測でしかありませんが、このままいけば地方の更なる衰退は免れません。

 少子高齢化と相まって、その流れはますます加速していきます。これによるデメリットは上げきれませんが、代表的な3つを挙げるとしたら以下のようになります。

  • 1. 地方での人材不足(一次産業の衰退)

  • 2. 伝統文化・伝統工芸の消滅、

  • 3. 限界集落・木造家屋の空き家の増加

 「京阪神・中京・札仙広福各大都市圏」「その他政令市」「中核都市」などはまだ持ちこたえられるかもしれませんが、そのほかの地方ではより一層厳しい状況になると思います。

 すでに限界集落となってしまっている地域もあるため、待ったなしの状況です。その上、地方自治体は現状の財政制度では余裕がなく、地方交付税に依存している場合が多いです。

 人口減少により税収も減少するため、行政サービスを維持することが困難になってきています。さらに限界集落を抱える地域では、地域インフラを維持するための費用もかさんでいる状況です。

多極集中型社会

 東京一極集中と地方の衰退を解決するための解決する手法は、地方行政・少子高齢化分野の専門家から出ています。それらを含めながら、私なりの解決方法を示したいと思います。

多極集中型社会概要

 解決方法は、地方が主体となって進める多極集中型社会の推進です。霞が関で考えるのではなく、地方から考えるべきだと思っています。

 そのため、国は後方支援に徹するべきだと思います。あくまで主体は地方自治体です。

 今の日本があるのは東京を中心として規模の経済によることは、誰もが認めるところだと思います。そのうえで、日本全体が首都圏、特に東京に依存した中央集中型経済から脱却して、地域分散型経済を目指さないといけません。

 ただし、地域分散型経済は、何も全国津々浦々に分散することでありません。地方の20万~50万人規模の中核都市に多極集中させて、最先端技術・ネットワーク技術を活用し、経済を回します。

 現に私の住んでいる地元都市も現状は地域の中核都市として機能しています。最先端ネットワーク技術や人工知能などによって、どこにいても東京基準の仕事を行うことは可能です。

 なので、地域分散型社会で十分やっていけると思います。それを実現するには、以下の4つが重要です。

  1. 地方都市での開発

  2. モビリティの拡充

  3. 地域の魅力発信

  4. 自治体の価値観の更新

以下でそれぞれ説明していきます。

1・地方都市での開発

 個人的に、東京はこれ以上人口を抱えられる余地はもうないと考えています。それなのに、今の東京では次々と大規模な開発が相次いでおり、300m級のビルの建設も進んでいます。

 コロナ渦を経て、オフィス需要に大きな変化が起きている中で、本当に大丈夫かと、地方から見ていて思います。東京の発展には寄与しても、地方に良い影響を与える可能性は皆無だと思います。

 そのため、その資金を地方の中核都市での開発に投資する方が、地方中核都市の発展に寄与すると思います。

 ただし、東京と同じような開発をしていてはいけません。その地域の魅力や特徴を生かし、地元の住民・民間企業が中心となって開発することが大切です。行政は後方支援に徹するのがいいと思います。

 開発では、これからの時代を担う若者世代(Z世代・α世代)が中心となって進めていくのが良いと思います。これからを担う世代の価値観と最先端技術を取り入れた開発を行うことが大切です。

2・次世代交通インフラの拡充

 交通はとても重要な施策です。首都圏をはじめとした大都市と違い、車移動が主流となっている現状です。そこで自動運転バスの実証実験やサイクリングロードの整備などを検討する必要があります。

 一般道での自動運転はまだまだです。人工知能やセンシング技術のさらなる向上が求められますので、実証実験を継続し、データを収集して実用可能な技術を確立する必要があります。

 サイクリングロードについては、一般道の路側帯を専用レーンにするだけでは不十分です。シティーバイク(ママチャリ)&一部のスポーツ自転車ユーザーのマナー向上や罰則強化も必要です。正しい自転車活用を推進することは地域経済にもプラスに働きます。

 地方中核都市(約20万~50万人)においてこれらの取り組みを進めることで、地域の交通利便性を向上させ、移住者増加にも寄与できます。

 同時に、中核都市と周辺市町村の広域連携が求められます。特に、最近問題となっている限界集落問題を同時に解決する必要があります。

 限界集落の高齢者を近隣の中核都市に移住させることで、限界集落のインフラを維持するための交通コストを削減することも、次世代交通拡充の上で必要です。

 未来のための先行投資のためには、削減すべきでない部分をしっかりと見極める必要があります。

3・地域魅力発信

 最先端のサービスを活用した発信による移住を促進することが必要です。音声配信・動画配信・note&SNSを活用し、効果的にプロモーションを行うべきです。

 また、仮想現実(以下、メタバース)を上手に活用することも必要です。ただし、メタバースは下手をするとその空間で満足してしまって、実際の移住につながらないことも想定されます。そのため、実際の移住につながるように仕組みを整える必要があります。

 こうすることで地方中核都市の魅力を向上し、若者が新しい取り組みをするための都市空間として発展することが期待できます。インフルエンサーとの効果的なタイアップなども検討することが有効です。全国で取り組みが進んでいるため、視察などを行い取り入れることも良いと思います。

 そして、インフルエンサーとのタイアップが、首都圏からの移住や地域経済にデータとして表れなければ、意味がありません。一時的な話題性だけでなく、継続的に認知されるようになる必要があります。そのためにも、タイアップが順調に進んでいるか、効果を検証していくことが大切です。
 
 ただし、発信は慎重に行わなければならないことも事実です。その良い事例として、福井県池田町の広報炎上問題があります。福井県池田町の区長会が移住希望者向けに作った「池田暮らしの七か条」が問題視されました。

 すでに移住した人が、地域の行事に参加しないことを問題視して作成されたそうです。この福井県池田町の発信のやり方は、本当によくないやり方だと思います。

 福井県池田町は、私がここで話している多極集中型からすれば、は対象外となるほどの限界自治体です。限界集落の古い価値観を丸出しにした内容には、同じ地方在住(中規模都市在住)者としてもどうかと思います。

 あのような発信のやり方は、3大都市圏や地方中核都市からの移住者からは嫌われます。また、移住先の候補からも当然外れることになります。

 中でも、「都会風を吹かせない」という姿勢は都会から移住する人にとっては、選択する候補に入らない理由の一つとなるでしょう。

 こうした古い価値観を無視してでも守ろうとすると、新しい価値観や都会の考えを持った若い人たちが来なくなり、衰退を招くことになります。当然、この広報内容を理由に町を出ていく人もいるでしょう。

 これは全国の限界集落・限界自治体においても当てはまると思います。ただし、北海道大樹町・岡山県奈義町など成功しつつある自治体もあります。

 ですので、本気の子育て支援を実施して新しい価値観や産業を生み出している自治体と、池田町のような限界自治体との格差は広がることになるでしょう。

 発信する際には、「自治体を今後どのように変えていきたいか」、「そしてどのような人たちに移住してもらいたいか」を明確にする必要があります。

4・自治体の価値観の更新

 「地方都市での開発・モビリティの拡充・魅力発信をお話していましたが、それらを実行するにあたっては「価値観の更新」が大前提となります。

 「魅力の発信」の後半で福井県池田町を取り上げました。町全体の価値観が昭和的では、どんな施策を実施しても失敗します。なぜなら時代に合わない価値観をかたくなに守ろうとしているからです。

 時代は常に動いて進化しています。当然人々の価値観も変化し、世代によっても異なってきます。

 その上で地方の若者が都会に出ていくのは、価値観が古くて閉鎖的なコミュニケーション空間が嫌いだからです。元から人口が少ない地域なら、ますます若者がいなくなります。人口が減少するのは無理がないです。

 そこに歯止めをかけようとやみくもに移住者を募ったところで、価値観が古いままなので人は集まりません。1~3を実行するにあたっては、都市・町全体の価値観を更新し続けることが必要です。

 そのためにはそこに住んでいる住民一人一人が、自分たちの価値観が時代に合わないことを自覚するべきです。

 価値観が古いことを自覚できなければ、「価値観の更新をしましょう」と言っても無意味です。自分たちで自覚をしないと変われません。

 そこを突破できれば、新しい価値観を学んで、自分たち一人一人の価値観を更新していくのみです。そうしていくことで、街全体の価値観の更新につながります。

 そうすれば現状の危機意識も共有でき、1~3の施策にみんなで取り組むことができるのです。

 価値観を更新して危機意識を持つことができなければ、その自治体は衰退・消滅する未来しかありません。

 しかし、これはそう簡単にできることではありません。高齢化率が極端に高い限界自治体ではなおさらです。がちがちに古い価値観に染まっている高齢者に、新しい価値観を教えることは容易ではありません。

 すぐに拒絶し自分たちの価値観がすべてだと、引っ込んでしまいます。やみくもにやったところで、時間と動力の無駄にしかなりません。

 それを解決するために何をしたらいいのか、私にも明確な答えはありません。全国で模索が続いていると思いますが、確かな方法が私には見えていません。ここだけは申し訳ありません。

 言い方は悪いですが、限界集落を捨てて人口の多い近隣自治体に移住するなら、「価値観の更新」は必要ありません。しかし、魅力ある自治体に変革をしたいと思っているなら、「価値観の更新」をしなければ未来はありません。

 ですので、「自治体の価値観の更新」は、地方の自治体が街を復興させるための第一関門なのです。繰り返しになりますが、この関門を突破できて1〜3の段階に進めるのです。

最後に

 ここまで東京一極集中の本質的な打破と、地方の魅力発掘についてお話をしてきました。今日本は大きな岐路に立たされています。

 少子高齢化・一極集中&地方の人口減少・国際競争力の低下と、日本は課題が山積しています。このまま小手先の対策だけで、これらを解決はできません。

 今の日本は、ボロボロの戦艦なのです。なので価値観を更新して抜本的な対策を行うことが求められます。名前はそのままに現代の駆逐艦に乗り換えるぐらいのことをしないといけません。
 
 そのためにも私達国民一人一人が、危機意識を持つことが大切です。現状に迎合するのでなく、価値観を更新していき自分を変えていくことが必要です。

 過去は変えられませんが、未来は変えていくことが出来ます。私も一歩ずつ前に未来に向かって、今を進み続けていきます。本日は以上です。

 最後までご覧いただきありがとうございました。この記事への『スキ』と私への『フォロー』をよろしくお願いします。また次回お会いしましょう。noteクリエイターの花やんでした。

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