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八首抄 令和6年1月号

高貝次郎選


淡淡あわあわと咲いてくれたね藤袴アサギマダラは来なくてもいい

高田 香澄

夕星が次第に離れゆくごとく遠くなりゆくいとこはとこら

臼井 良夫

西の方群青色に浮き立ちて秩父連山しづしづと秋

佐田 公子

入道雲・うろこ雲またひつじ雲空一面の空の欲ばり

井手 彩朕子

ひぐらしの涼しき声を聞きながら心の秘密かみしめている

北岡 礼子

放棄地に囲まれ揺るる蕎麦の花耕す人のいるは喜び

髙橋 律子

なんという巨大な魚のウロコ雲わたしの心は大空に飛ぶ

原田 悦子

猛暑日を堪えて夕べの涼しさに少しやさしくなれる気のする

山口 みさ子




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