Photo by snafu_2020 選歌 令和6年7月号 3 短歌の会 覇王樹|短歌会 2024年6月30日 00:03 幾たびの桜に逢へば満つらむか吾はさびしゑ心さびしゑ渡辺茂子ちりちりと溶けるチーズを鉄板に泳がしてゐる春愁ひとつ臼井良夫香ばしいクロワッサンの朝食に形似ている雲を目で追う児玉南海子皿を洗ふ妖精が来てくれぬかと少女は思ひ今でも思ふ高田香澄浮き雲にトランポリンのぷあんぷあん捻挫の足とドジな私髙間照子健啖の妻へひと切れカツ分ち相もかはらぬ夕食風情橋本俊明ふかぶかと椅子に腰かけ息を吐く午前十時のひとりの厨宮本照男夕焼けをワイングラスに流し込みあった事もなかったことも森崎理加きっちりと畳まれ重ねて仕舞われた白いタオルにその人を見る渡邊富紀子円空仏笑まい笑まわれ緩む頬エンドウ豆の弾ける音す小笠原朝子落ち着いてアナンは語りぬ。如是我聞、いのちは甘く美はしきものだと鎌田国寿沈黙という武器ありされどこの吾に使いこなせる自信のありや北岡礼子春風が吹きいる庭のムスカリにもやもやが晴れ清しき朝篠原和子偶数で割り切れない数抜き出せる算数はじめ孫時間なり渡辺ちとせ美容室で細く剃られし眉問えば育てていると乙女子は言う青山良子散歩路に友の消息知りたくも表札おぼろとなりて諦む井手彩朕子イギリスの獣医は言ひぬ生真面目に猫の眼まなこで世界を見ると高貝次郎スマホには無数の写真眠りをり棚には使はれぬカメラが眠る成田ヱツ子目の前の人と話すも瞳めは常にスマホの画面心はいづこ西原寿美子カーテンを引けば「キラキラ」浮遊塵静から動の暮し始まる伊関正太郎反対に帽子を被り少年は光集めて農道走る佐藤愛子血管の諸々と浮く手を翳し過ぎ来し生業の数数を恋う田中春代陽の方へ向きて咲きたる花々に習いて生きよ石竹然り松下睦子土緩み梅もほどけて香の立ちぬメジロのようなおしゃべりしよう建部智美遮光とうさみしさありて新調の春のカーテンに部屋仄暗し髙橋律子白濁の石鹸水にて洗い捨つ心の芥転居の夜に福留夕音なぜかしら遠い座席という言葉口突いて出る脈絡もなく清水素子雨空を詫びるが如く満開のデイゴの列は島を照らせり(沖縄県花)高橋美香子足場より俯瞰す吾が家・庭・道路鳥の目線に気分爽快田中昭子泣いているね、大人も分かるわその気持ち四月初めの園児の散歩三上眞知子朗読を聞いてみる 短歌の会 覇王樹|公式サイト 短歌の会 覇王樹 | 公式サイト 短歌の会 覇王樹は、今年で103周年を迎える短歌結社です。 創設以来「清新自由」をモットーとし、口語短歌や伝統的短歌を各 www.haoujusha.com 短歌の会 覇王樹|公式X ダウンロード copy #短歌 #短歌会 #短歌の会覇王樹 3