僕は、僕だ(part2)

戦争でゲリラ攻撃を受けて僕はものかげに隠れていた。

すると信頼するジャン中尉から指示が聞こえたんだ。

「全軍撤退!生き延びることだけを考えて撤退しろ!」

それを聞いた僕は全速力でその場を駆け出した。

走るのは僕の得意技だ。

どんなひとにも負けない特技なんだ。

僕は一目散の後ろの森の中に入り、銃弾がカラダの近くをかすめるような状況で走りに走った。

無我夢中で走った。

すると、小さな小川に突き当たった。

このとき僕はある考えがよぎった。

「あれ、バッパはどこ?」

周りには僕一人しかいなかった。

みんなまだ森の中で逃げている最中かもしれない。

もしかしたら銃弾に当たって動けない人もいるかもしれない。

そう思った僕は森の中に戻っていった。

すると、何人もの仲間たちが怪我をして動けなくなっていた。

僕は一人一人担ぎ上げ、走って小川のところまで運んだんだ。

僕は体格がしっかりしてるから、何人でも運べたんだ。

でもその中にバッパはいなかった。

何度も何度も森の中に入ってみたけど、見つからなかった。

あきらめかけていたそのとき、近くからバッパの声が聴こえた。

消えかけそうなか弱い声だった。

バッパは足に大怪我をおっていた。

バッパを励まして、担ぎ上げ、皆と同じように小川まで運んだ。

「バッパ、大丈夫か!しっかりしろ!」

バッパは死んでしまった。

そのときは状況をうまく理解できなかった。

けれど、後から悲しみがこみ上げてきた。

僕は見方の援軍がきてくれて、なんとか助かることができた。

実は僕は知らない間にお尻に銃弾を撃ち込まれていたらしい。

たしかに走っているときになにかお尻がちくっとしたんだよね。

それで軍病院に入院することになった。

お尻の怪我はそこまで深刻じゃなかったから、すぐに歩けるようになった。

となりのベッドには尊敬するジャン中尉が眠っていた。

撤退の指令を出してくれたジャン中尉さ。

彼があのタイミングで指令を出さなかったら僕たちはどうなっていたかわからない。

僕はジャン中尉に感謝していた。

でもジャン中尉は両足を失ってしまった。

僕が倒れていたジャン中尉を担いで助けたんだ。

でもジャン中尉は僕に助けてほしくなかったみたいだ。

「俺はあの場所で仲間と死ぬつもりだったんだ。

それをよくも...

俺の死に場所を奪いやがって...」

でも僕はジャン中尉のことを嫌いになんてなれなかった。

とてもいい人だからね。

いまはまだ時間が必要なときなんだ。

続く

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