話したいことがない！

興味があると思われた料理の話を掘り下げてみて、そのかたは根本的な気づきに到達されました。

「私が会話と思っていたことは、ただ周囲の意見やニュースに対していい感じとか悪い感じとジャッジすることにすぎなかった。自分の考えや深い感情を言葉にして、人の気持ちを聞いて、自分と人の心が融合する本当の会話をしようとしてこなかった。だから英語で聞いて文章が作れても、英会話ができないと思い込んでいたんですね。まずは自分の感覚や感情を感じることから始めたい。」

それからのレッスンは、英語の基本レッスンを続けながら、今感じることを言葉にしてみるという課程が加わりました。これ、私もとても楽しかったです。さらに言語力を高めるために、読書、要約、国語の読解、古文に触れる、なども。集合意識の中で生きていると、新聞などには反応しやすいけれど、人間の根本の感情や心の動きを表す小説を理解する力が育っていないということにも気づきました。いかに自分の心を無視して、人や社会概念に迎合しようとして生きてきたか。驚きでした。

つづく