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自分を好きになる学び

ヒトは赤ちゃんの時から、潜在意識ではたいていのことがわかっている…と言われています。学ぶとは、わかっていることを意識レベルに浮上させていくことなのですが、その過程で、学ぶことが楽しい柔らかい頭になるか、暗記すること、競争することが学びであり苦しいことを我慢した結果の優越感が学びの快感であるという固い頭になるかの違いが生まれてきます。

英語を教える時にも、潜在意識から顕在意識へ、全体から個へ、ということをいつも大切にしています。英語は日本語と同じ部分もたくさんありますが、特に構造において、異なる部分が多くあります。学びの初期の時点で、単語レベルを重視し、この日本語=この英語という風に日本語に結び付けて英語考える癖をつけてしまうと、日本語の単語から英語の全体を連想するという、個から全体への暗記パターンが癖になってしまいます。ひとつひとつを暗記しても、脳の短期記憶の容量には限界があり、覚えたと思っても時が経つと、ヒトの脳は記憶を勝手に書き換えるという癖もあり、正しいと思っている記憶が間違っていたりもします。

暗記や記憶に頼るよりも、常に全体を意識し、全体から個を考える方が楽で自然な学習法です。例えば英作をするとき、「わからない単語は教えるから日本語で言って。」と言います。"I went shopping to 買う some お菓子"のように。逆に訳をするときは、わからない英語はそのまま言ってもらいます。「パリは多くの美術館やtheaterのある都市has been。」この学び方を続けることで、単語から連想して英語を考えることを防ぎ、英語を英語の文法と構文で理解できるようになります。

小学生のレッスンは基本的にお母さまに付き添って頂き、教材の準備や宿題の把握などをヘルプしていただきますが、レッスンの内容は決して教えないようお願いしています。それでもたまにお母さまが単語を教えてしまう場合があり、講師の方は生徒さんがわかっていると勘違いして必要な説明を省いてどんどん進んでしまい、生徒さんは単語発想の頭になり、1年後か2年後、お母さまが教えられないほど進んだ時に、いきなりレッスンが崩壊してしまうことがあります。そうすると全ては後戻りすることになり、生徒さんが一番辛い思いをします。それを避けるためにも、単語から連想するという癖は、ヘルプのお母さまも避けて頂いた方がベターです。

潜在意識では何でもわかっている。それを意識上にすくい上げ、ブラッシュアップし、表現を磨くことは、暗記を競うことよりずっと楽しい人生の学びだと感じています。学ぶことは自分と自分との遊びであり、コミュニケーションであり、自分が自分を好きになる素敵な方法です。



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