抽象化が肝だった / フィールドワークとKA法研修 1日目 事前講義

2022年11月3日
Xデザイン学校校外研修旅行(京都)フィールドワークとKA法
事前講義「はじめてのフィールドワーク&KA法」 1日目(オンラインの事前講義)の振り返りです。

なぜ?なぜ?を繰り返していくと、価値の抽象度を上げていくことができた

出来事から心の声、心の声から価値へと分析する過程で、どうやら自分の中で抽象化が行われているようです。

作ってみたKAカード
経験豊富な方が作ったカードもみてみたいなぁ

そしてチームディスカッションでも価値のラダーアップをしていきました。価値を中項目、大項目へと抽象化していく過程で、「なぜそんなことをするの?なぜそうしたいの?本当はどうしたいの?」と問いかけを繰り返していくと、抽象化レベルを上げられる感覚がありました。

例えばチーム内の会話で出たものですと、

【価値】民度が高い人が暮らす土地に暮らしたい
「なぜ?」→自分が民度高くいたいから
「なぜ?」→自分が一流でいたいから
「なぜ?」→自分が一流だと実感したいから

チームでディスカッションしながら、本質的価値に迫っていく

出来事の粒度は1文が基本。だけど、前後の文脈が必要なときは添えてもよい。大切なことは、自分の中で価値への抽象化が始められること。

その人特有の文脈と価値はある程度切り離して考えるので(ある程度というのは、その人に寄りすぎるとバイアスになってしまうし、反対に一般化して考えすぎると普遍的なアイデアばかりになってしまうのでいい塩梅をとろうということ)、出来事の欄に書く内容は基本1文です。しかし1文ではあまりに文脈がわからないときは、前後の文を加えても良いそうです。

要は、自分の中で価値への抽象化を始められる状態にできればいいんだなと思いました。下のカードは出来事が2文ですが、前文の「おすすめは何もしないこと」という発話だけでは「なぜ?」の先を考えるのが難しいですね。

チームメンバーが作成したKAカード
「何もしないこと」の1文だけでなく、その文脈も添えている

価値の解釈の仕方は人によって大きく異なるもの。共有を丁寧に行うことでメンバーの思考の過程を知ることができた。

出来事の解釈の仕方も、明文化した価値の捉え方も、人によって大きくことなることがあります。カードを作った人の思いやメンバーの捉え方を共有し合うことで、お互いのことをよく知るきっかけにもなりました。

例えば、「ステータスが高い土地に住む価値」という分析をしたカードと、「京都で一番いい場所に住む価値」という分析をしたカードがありました。この2つのカードは一見同じカテゴリに分類できそうにみえますが、価値を基準にそれぞれ丁寧にディスカッションをすると、軸となる価値が「自分がいいと認めた土地に住むこと」と「世間的にいいと評価されている土地に住むことと」で大きく異なっていることがわかりました。
このディスカッションによってメンバー間の誤解が解け、価値の書き方を誤解を生まない形に修正することができ、それぞれ別の価値軸の分析に活用することができました。

【例1】修正前
「京都に住むのはステータスが高い」というのが、自分目線なのか他者目線なのか解釈が分かれた
【例1】修正後
他者目線であることがわかることを明記


【例2】修正前
「一番いい場所に住みたい」という価値の解釈が「自分が認めた場所」と言う意味なのか「世間からの評価が高い」という意味なのかで解釈がわかれた。
【例2】修正後
「自分が認めた場所」という意味合いがわかるように明記

最後に

松薗さんが丁寧にディスカッションすることを促してくださったおかげで、KA法の真髄みたいなものを垣間見られた気がします。さまざまな目線から価値の本質にせまっていく感覚が楽しく、いつまでもディスカッションしていられそうでした。実務ではじっくりやることがなかなかできないですから、実務外でゆっくり丁寧に学ぶ場あるというのは大変ありがたいなぁと思います。本研修で学んだことを実務に活かせるよう、残りの3日も頑張ろう!

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