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暴落のその先

歴史的下落

日本株をやっている方ならすでにご存じの通り、8月が始まってすぐ4,451円安という歴史的な日経平均の暴落がありました。
下落幅でいえば過去最大。下落率でも-12.4%とブラックマンデーに次ぐ過去2番目の下げ率。
先人の教訓くらいからじゃないと聞けない「〇〇ショック」ような、インパクトのありすぎる下げに、今年新NISAで参入した人々はもちろん、3年目とまだまだピヨピヨな私にとっても、衝撃的な日となりました。

何ショックだったのか

世間は植田ショック、日銀ショック、色々ネーミングをつけたがりですが、
なぜこんなにそもそも下落したのか。
まず、先述の植田ショック、日銀ショックと言われたように、これまではあくまでも「緩和」状態は維持していく、みたいなスタンスで、7月の決定会合ではないと思われていた利上げをいきなり実施。
さらに日銀決定会合の植田総裁記者会見では、「まだまだ利上げすっぞい」というタカ派なスタンスに様変わりしたこと。
大方の予想では、利上げ実施は9,10月だろうと思っていた矢先の出来事だったので市場は混乱しました。

ただし、ここで注意したいのは、
利上げを実施すると発表のあった7/31の後場の日経平均は上げて終わっているのです
大引け後の記者会見を経た翌日8/1も、上げた分程度の反落です。
下図の赤矢印の部分ですね。

7月日銀決定会合後の日経平均

で、8/2の日本市場。
2,216円下落します。この時点でも、ブラックマンデーに次いで2番目の下落幅。
原因は、前の晩の米株がISM製造業景況感指数で、景気悪化懸念が噴出し円高も進行。
8/1時点の日本市場は、あれ?利上げもっとするっていうてるけど、これくらいの下げで大丈夫なんだっけ?みたいなところから、米国の景気悪化が本格化した?!というサプライズに敏感に反応。
それが2,216円もの下落につながったのかな、と個人的には感じています。

そして、8/2夜の雇用統計発表。
これがまた予想を下回り、失業者も3年ぶりの高水準という結果に、米市場は8/1よりもさらに下落。

ずっと言われ続けてきた米国の景気後退、景気悪化、円高、ああ、やばいんちゃうこれ、ああ、逃げないとあかんのちゃうこれ。というモヤモヤとアセアセで週末を過ごし明けた8/5。
個別の材料も出ていないのに、あの三井住友FGがストップ安をかますなど、売りで売りを洗う地獄絵図。
ストップ安が多すぎて、一時は先物の下落に現物が追い付かないくらいの下落。
昔の〇〇ショックを知る者たちなだけに、さすがにプロの投資家たちも戦々恐々。
更に掘るのか、リバウンドするのか。

様子見様子見していくうちに数日が経ち、スルスルと値を戻していき、現在位置。

と簡単な経緯をまとめても、
一概に植田ショック、日銀ショックとも言えないような流れでした。
一因にはなったけど、トリガーは米国の景気悪化懸念。こうした一連の流れが引き起こした下落と言えそうです。
とはいえ、世間はわかりやすい言葉を探したがるので、日銀ショック、などと未来では言われるのでしょうか。

もっと言うと、7月後半の日経平均は8日続落という、これも歴代15位となる続落記録を出していました
この落差だけでも、4,000円程度の差があります。
日銀決定会合の記者会見の翌日、つまり8/1ですが、タカ派姿勢に対しても思ってたほど下げなかったのは、そこまでに充分下げてしまっていた、というのもあったのかもしれません。
8日続落は下図の赤矢印付近ですね。

日経平均8日続落

戻りきった?戻りきらない?

暴落後リバウンドして、半値戻し、なんていう言葉もちらほら見聞きしましたが、今の日経平均は値を戻したんでしょうか。

5月~の日経平均

7月の最高値=日経平均最高値には届かないものの、
5~6月のヨコヨコ相場付近(=38,000円くらい)までには戻しています。
何か強い材料がなければ、再度40000円台というのは現実味がなさそうです。
そして、現在円高が進行しています。
2024/1/4を100としたときの、日経平均(オレンジ)とドル円(赤)の相対グラフが下記のようになっています。

日経平均(オレンジ)とドル円(赤)の相対グラフ

7月の高値のときのドル円は161.94円が最安。8/26夜現在は144.23円。
円安株高の流れは、円高株安へと様相が変わりつつあります。
15円も違いますからね。
そして、日本株を買ってる多くの投資家は海外の投資家です。
ドル換算の日経平均を見てみると、こうなっています。

ドル換算日経平均

すでに、値を戻してなお高値を取りに行ってますね。
つまり、外国人からみて日経平均はすでに値を戻してなお高値をとっていることになります。

その先は。

ということで、暴落後のその先ですが、すでに値は戻してしまいました。
ざっくり現状はこんな感じです。

  • ダウはもう41,000ドルを回復。

  • ドル換算日経平均もすでに回復している。

  • 円高が進行している。

  • 米金利は下げている。

  • 日本金利は上げきれずにいる。

上げるとするなら、材料はなんでしょう。
直近ではNVIDIA決算がありますが、またサプライズ的な好決算をたたき出してウキウキとなるか。
今後の米国の発表する指標が軒並み良くて、景気後退なんか忘れて浮かれポンチとなるか。
何にしても米国次第。

下げるとするなら、すぐ思いつくのは円高がさらに進行して、押し下げ続けるか。

数か月スパンでみると、さらに年内利上げなんてことがあれば、やはり押し下げ要因となるでしょうし、自民党総裁選や米国大統領選の結果でも上下するでしょう。
何にせよ、今年中に何かしら結果を出したいのであれば、反射神経が問われる地合いとなりそうですね。

おわりに

ところではんぞうもんは、今回の暴落では耐えられました。
現物しかやってないですし、実は7月の日経平均最高値付近から嫌な予感はしていたので、多くは利確してしまい、現金率をかなり多めにして今日にいたります。
それもあり暴落後のリバウンドは少ししかとれませんでしたが、さすがにあの暴落直後にひゃっほいできるほど、強心臓は持ち合わせていません。。
リスクをとらなかったのだからリターンは得られない。そういうことです。
無理をせず、行けそうなときに大胆にいく。
そんな動きができたらいいなと思う、8月の終わりなのでした。

では、また次回。


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