#004 行き先はお姉ちゃん(エッセイ)
ドラえもん屋さんに、巨大などこでもドアがあった。
横のタブレットに行き先を伝えてどこでもドアを開くと、Google Earthと連動したディスプレイに目的地が映し出される仕組み。
次女の順番になり、勢いよくタブレットに向かう。
そして「お姉ちゃん!」と言った。
焦ったチャットボットが「本当に…?」と確認してきたが、もちろん次女は「はい!」と答えた。
行き先見つけられなくてごめん、とチャットボットは謝ってきたが(こちらこそごめん…)と思いながら次の子に順番を譲った。
通常、長女と次女は本当に仲が悪い。ケンカばっかりしている。大概、次女が長女の嫌がることをやって、長女キレる次女ニヤニヤする…という流れだが、とにかくいつももめている。
なのに、行きたいとこはお姉ちゃんなんだな。
もちろん、次女のいやがらせが愛情の裏返しだってことを、母は十分に知っているのだが。
(好きな子にちょっかい出して本気で嫌われる古風なスタイル)
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