4月12日 ②

 妹の就業を羨ましいと思う一方で、自らに照らし合わせた場合、同じようにはいかないだろうと消極的になるのは、彼女と私では立場がまるで違うからである。
 かつては似たような境遇であったが、この二年の間に電撃結婚し、子どもまであっさり産んで、生活のために働かなければいけない義務から、妹は解放された。考えようによっては、独り身で、自分の世話だけしていれば良い私の方が、身軽かとも思えるが、将来その身一つを誰に頼ることなく生かしていかなければならないプレッシャーは大きい。良い年の人間が、自分の責任さえ取れない不安定雇用の末路でさえなければ、また状況は違ったのだろうが、過去も時代もリセットできるようなものではないからどうしようもない。
 自分を知れば知るだけ、社会で働いて生きて行く…という最低限の目的から、遠ざかっていくように思えてならない。
 天職は…二度失った。
 行きたい場所、生きたい形は明確でも、現実の世の中では、私の活躍できる場所が見当たらない。その場所に辿り着くための努力を…と、簡単に切り替えることが出来ないのは、そもそもの場所が、努力して辿り着くような場所に無いせいだ。努力を重ねて手に入れられるようなものではそもそもないのである。
【一生の仕事を見つける方法】というキーワードで検索をかけてみる。
1.「人生の終わり」に立ったつもりで、「自分の本当の欲求」を探ってみる
2.「お金をもらわなくてもやりたいこと」を考える
3.すべての制限を取り払ってイメージする
とある。今、これを熟考して掘り下げようとしている。この三つのどれからも遠いところで仕事を見つけようとしているからしんどいのであって、ネガティブシンキングから抜け出せないのではないかと、何処かでわかっているからだ。
 妹のような素早いシフトチェンジが、私には出来ないのかも知れない。
 まだまだ時間がかかるのかと思ったら気が遠くなるが、まだまだ時間が足りないと何処かで思っている自分がいる。せめて破産する前に、辿り着くべき場所に辿り着けますように…と、願うしかない。

 

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