この日々のことを覚えておくための日記5

2020/5/19 道で拾った聖教新聞を読む。他人の秘密を盗み見ているような気分になる。

2020/5/20 今週は映画をたくさん見た。「PARKS」「そこからなにがみえる」「瀬戸内少年野球団 青春篇 最後の楽園」「ジャズ大名」「雨月物語」「兵隊やくざ」「兵隊やくざ 脱獄」「しびれくらげ」「西部戦線異状なし」「天使のはらわた 赤い淫画」「ダイナマイトどんどん」「不滅の女」
「ジャズ大名」が面白かったので、ラジオドラマも聞いた。こちらも面白い。筒井康隆の原作も気になる。
それから「魔法少女まどか☆マギカ」を一気見し、劇場版もabemaでやってたので観た。(まだ新編は見ていない。)
おぎやはぎのメガネびいきのパロディ企画「魔法小木おぎか☆オギダ」も久しぶりに聞いた。本当にくだらない。大人の悪ふざけが俺は大好きだ。当時はわからなった元ネタがわかってそれも楽しい。
東京ダイナマイトの単独ライブもamazon primeにあったので観た。めっちゃ面白い。
本や漫画も読んだ。「浴室」「コロナの時代の僕ら」「有罪無罪玩具」「花と頬」「少年ヨアキム」「エレベーター」「二鳥翠」漫画はどれも面白い。
今読んでる「ガルヴェイアスの犬」もいい予感。

この期間にはじめて接した作品のランキングでもつけようかしら。今週だと一位「魔法少女まどか☆マギカ」(今さら)二位「ジャズ大名」三位「有罪無罪玩具」かな。

2020/5/21 今日は簡単に、鍋を作っていたのだが、自分のためだけに料理を作って、自分だけが食べるという当たり前のことが急にいやになって、温まった昆布やきのこをほったらかして近所のお店に顔を出した。常連ばかりで、みんな色々溜まっているのかよくしゃべる。
(嫌気が差して、作ったパエリアを食わずに捨てる岩井勇気の気持ちがよくわかる。)

病床が足りなくなって、助かるはずの命までが無残に亡くなっていく様は、戦争映画で幾度となく見た野戦病院のシーンを想起させられる。しかしこれを戦争に喩えてはいけない。戦いでも争いでもないのだから。戦争に喩えることが、憎しみを呼び込むような気がしてならない。必要のない高揚が。

2020/5/22 先週、知り合いがタイ料理屋をオープンした。壁の塗装などを手伝った。この時期に売れ行きが心配だが、今のところ順調そう。グリーンカレーをいただいたが、めっちゃうまい。次はガパオライスを食べに行く。

町を走る電車がいい。夜、人の少ない電車が走り抜ける。窓を遮るものはなく、反対側の窓まで見えるし、その向こうの景色まで見通せる。人に覆われていた景色が姿を見せる。透明の箱が町を走っている。

今、就活している人はオンラインで面接したりしてるみたい。上半身だけ見えればいいから、下は何も着てなくてもいいわけだ。半裸面接。

2020/5/23 男の子が母親に「スプラトーンほんとすごくて、マジ祭り」って言ってて、楽しいことを「祭り」って言うのいいなと思った。

今日はおうちでパンダ音楽祭。はじまった途端、家の窓から日が差し込んでとてもいい気分。ワイヨリカははじめて聞いたがとてもよかった。眉村さんの言葉遣いってほんと素晴らしいなって思う。言葉は飾っちゃいけないな。

「うまくやろうとするとだめだな 私ができること一個」(「大丈夫」より)背伸びするのはいい。背を伸ばして届くのは私の手の届くところだからいい。手の届かない、自分の手元に寄せられない言葉を、自分の言葉にしちゃダメだなと思う。正しいなんて言葉はないし、人間みんな間違ってるんだけど、自分にだけは正直でいたい。昨日ラジオで岡野陽一が、人間ってみんな間違えてるという視点でコントを書いているというようなことを言っていて、いいなと思った。

一度「渦中の詩」というハッシュタグを詩につけた。「渦中」という枠組みの中に詩を置いてしまうことは、詩の自由を奪うことにはならないかという不安がある。それでも渦中というフィルターを通して見える詩性もあるかなと。でもやっぱり何かの価値観やイデオロギー、思想や現象、状況、制度など、そういうものに詩を縛り付けてはいけない気がする。その瞬間にそこにあった 詩 は失われる気がする。ポエトリーリーディングの集まりを見に行ったとき、「選挙に行こう。声を届けよう。」というような言葉にみんなが興奮して盛り上がっていて、とても気味悪く見えたのを思い出す。そこにポエトリーはなかった。「月に吠えらんねえ」で描かれていた、国威高揚の詩を思い出す。ああしたものの中にはやはり詩はないのだ。私は渦中の詩というハッシュタグを消した。

2020/5/24 半裸面接、語感に聞き覚えあると思ったら、全裸監督だ。

肌蹴る光線のオンライン上映「すべてが許される」を観た。すごくいい映画で、日記に収まらなそうだから感想は別に書くけれど、一人一人が一人一人の時間を生きていて、一人一人に一人一人同じだけの時間が流れているという当たり前のことが、きちんと描かれていて、それはとても今大切なことに思えた。同じ時間だけ体験があって経験があって感情があって、それは計り知れないけれど、同じだけの時間が流れたということだけはわかりあえる。そういうささやかな想像力をちゃんと持っていたい。これからも。


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