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プロ野球戦力分析(ロッテ編)


 6月19日に開幕が迫った日本プロ野球。今日は昨年度パ・リーグ4位、千葉ロッテマリーンズ(ロッテ)について分析する。


・投手陣の入れ替わり


 J.レイビン、ブランドン、M.ボルシンガーが退団。涌井秀章が金銭トレード、酒居知史がFAて獲得した美馬学の人的補償で楽天に移籍。その他3投手が退団している。

 新加入では、FA宣言した先発右腕美馬学、外国人右腕F.ハーマン、鈴木大地の人的補償で右腕小野郁を楽天から獲得。広島での実績がある外国人右腕J.ジャクソン(米 /ブルワーズ)を獲得。
 ドラフトでは最速163km/hを誇る佐々木朗希(大船渡高)を抽選の末1位指名。4位で右腕横山陸人(専大松戸高)を指名し獲得している。育成でも1人指名している。外国人も育成で3人獲得し、右腕J.フローレス(BC /富山)は支配下登録されている。


・積極補強で救援陣は強固に


 チーム防御率はリーグ4位の3.91。何故か先発陣が手薄である。かつては右腕先発が豊富だったが、現状は芳しくない。
 先発陣は27試合8勝(5敗)、防御率3.64の右腕石川歩(32)が2年連続開幕投手。118.2回しか投げていない為、今季は規定投球回到達が最低条件だ。FA移籍の右腕美馬学(34)は昨年25試合で8勝(5敗)、143.2回を投げ防御率4.01。安定感には欠ける為、新天地でどうなるか。その他、26試合8勝(2敗)、116.2回を投げ135奪三振、防御率3.24の右腕種市篤暉(22)、22試合で7勝(10敗)、128.2回を投げ防御率4.41の右腕二木康太(25)、21試合で5勝(3敗)、防御率3.64の右腕岩下大輝(24)、10試合で3勝(5敗)、防御率4.31の左腕小島和哉(24)がローテに入ってくるだろう。

 救援陣はクローザーのサイドハンド右腕益田直也(31)が60試合4勝(5敗)27S12H、防御率2.15。FA権を行使せず、今季もクローザーを務める。負けを減らし、チームの勝利に貢献したい。
 他の救援陣は、58試合1勝16H、防御率3.78の右腕東條大樹(29)、46試合2勝(3敗)25H、防御率2.60の左腕松永昂大(32)、40試合5勝(3敗)14H、防御率5.26の右腕唐川侑己(31)、37試合2勝(3敗)2S5H、防御率2.96の右腕西野勇士(29)、44試合1勝(1敗)5H、防御率3.63の左腕外国人チェン・ヴァンユウ(30)といった投手がいる中、かつて広島で実績を残した外国人右腕J.ジャクソン(33)、楽天の3年間で153試合、防御率2.59の成績を残した外国人右腕F.ハーマン(36)が加わる。救援陣の奮闘次第で上位進出は十分見えてくる陣容だ。


・野手陣の入れ替わり


 鈴木大地がFA宣言を経て楽天に移籍。功労者福浦和也が引退。その他4選手が退団。
 新加入野手では、ソフトバンクからFA宣言した外野手福田秀平、楽天を戦力外になった西巻賢二内野手がいる。また、昨季阪神を退団したベテラン内野手鳥谷敬も加入した。ドラフトでは、2位で佐藤都志也捕手(東洋大)、3位で髙部瑛斗外野手(国士舘大)、5位で福田光輝内野手(法政大)を指名し、獲得。育成でも1人指名している。


・長打力をどう活かすか


 チーム打率はリーグ5位の.249、158本塁打はリーグ3位、642得点はリーグ2位。破壊力はあるが確実性に課題がある。75盗塁、92犠打はリーグ4位。56失策はリーグトップ。

 個人別に見ていくと、昨季加入した正三塁手のB.レアード(33)の139試合32本塁打89打点、打率.249、129試合24本塁打65打点、打率.252の正一塁手井上聖哉(31)と強打を誇る2選手がいる。また、途中加入ながら52試合14本塁打39打点、打率.232の外野手L.マーティン(32)は今季はどうなるか。楽天に移籍した鈴木大地の穴を埋めるためにも更なる活躍が期待される面々である。125試合で160安打、10本塁打46打点25盗塁、打率.315の外野手荻野貴司(35)は継続が鍵だ。全試合出場ながら17本塁打59打点12盗塁、打率.232の中村奨吾(28)は一段階上の活躍が必要になる。また、FAで加入した福田秀平(31)は内外野守れる為、戦力になれるだろう。117試合10本塁打57打点、打率.253の外野手清田育宏(34)もいる。

 正捕手田村龍弘(26)は昨季100試合出場に終わり、今季は故障で出遅れが濃厚。吉田裕太(29)、ルーキーの佐藤都志也(22)あたりが開幕マスクを争っている。特に佐藤は打撃で結果を残してきており、活躍が期待出来る。


・今季期待の若手選手


投手:佐々木朗希(19)

 甲子園出場が無い中、話題を呼んだスター候補。1年目から一軍で投げるかは微妙だが、まずは二軍でローテーションを守れるようになってほしい。プロで先発が出来るかによって育成プランが変わってくる為、球団の育成方針に注目。

野手:藤原恭大(20)

 進化したい高卒2年目ドラ1。言わずと知れた大阪桐蔭高時代の甲子園でのリードオフマンとしての活躍。プロでは確実性が課題になっており、まずは代走要員でも一軍に定着したいところ。俊足は魅力の為、経験を積んで欲しい。


・優勝への条件

 今季は正直厳しい。しかし、先発陣の伸び次第では上位進出は狙える。近年ドラフトでは成功している為、球団の育成力が試されるシーズンになるだろう。

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