毎日一分で読める憲法基本問題19
★今日の問題★
明治憲法の下では、天皇は、政治権力の主体であり、象徴ではなかったが、日本国憲法の下では、天皇は象徴に過ぎず、実質的な政治権力を行使してはならないことが明記されている。正しいか?
胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」
建太郎「おう」
1秒
2秒
3秒
4秒
5秒
6秒
7秒
8秒
9秒……
胡桃「10秒経過。どうかしら?」
建太郎「前問の条文を踏まえて答えを考えろということだな」
胡桃「そうね。前問の解説を読んでいれば難しくないわね」
建太郎「これは正しいということかな」
胡桃「ブー。間違いよ」
建太郎「えっ。何が間違いなんだ? 」
胡桃「まず、日本国憲法の記述は正しいかしら? 」
建太郎「日本国憲法には次のように規定されているんだから、正しいんじゃないかな」
日本国憲法
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
胡桃「じゃあ、明治憲法の記述はどうかしら? 」
建太郎「明治憲法には、次の記述があるとおり、天皇は、政治権力の主体だったんだろ」
大日本帝国憲法
第4条 天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ
胡桃「その点は正しいわ。そして同時に、象徴でもあったのよ」
建太郎「えっ。そうなの? 」
胡桃「象徴と言う言葉は用いていなかったけど、次の規定によって、天皇が神聖視されていたのよ」
大日本帝国憲法
第3条 天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス
建太郎「神聖視するということは、象徴として見るのと同じだと」
胡桃「そう言うことよ」
※問題は、ノベル時代社の肢別100問ドリルを利用しています。下記サイトから入手できます。
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