★今日の問題★

 憲法の改正には限界があり、天皇主権を国民主権に置きかえるような改正は認められない。そのため、明治憲法の改正の形式で制定された日本国憲法は無効であるとする考え方があった。
 これに対して、憲法の改正の限界を認めつつ、日本国憲法を有効とする考えがいくつか提唱されている。
 その一つである八月革命説とはどのような考えか?

胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」

建太郎「おう」

1秒

2秒

3秒

4秒

5秒

6秒

7秒

8秒

9秒……

胡桃「10秒経過。どうかしら?」
建太郎「これは、知らないと答えようがないよな。八月革命説だな」
胡桃「1945年8月に何があったか分かるよね」
建太郎「ポツダム宣言を受諾して、戦争が終わったんだよな」
胡桃「そうね。その時点で、天皇主権が国民主権に置き代わるような革命があったとみなす考え方ね。次のように考えるのよ」

 ポツダム宣言の受諾によって、天皇主権から国民主権に変更が生じ、法的革命が起きた。とする考えである。
 そして、日本国憲法の制定を明治憲法73条の改正手続きによったのは、便宜的に明治憲法との形式的連続性を持たせるために過ぎない。とする。

建太郎「そう考えるのか。すると、ポツダム宣言に国民主権とかが書かれているのかな? 」
胡桃「実は、ポツダム宣言には、日本国国民が自由に表明した意志による平和的傾向の責任ある政府の樹立を求める。とあるけど、天皇主権から国民主権に切り替えろとは書かれていないのよ」
建太郎「えっ。そうなんだ? 」
胡桃「そこで、八月革命説と言う考え方に対しては、ポツダム宣言は直ちに国民主権を採用することを日本に要求しているわけではないとする批判があるのね」
建太郎「うーん。そうなんだな。すると、八月革命説は完璧な説ではないと」
胡桃「いろいろな説があるけど、完璧な説はないのよ。ただ、八月革命説は有名だから押さえておいてね」
建太郎「うん。OK」

※問題は、ノベル時代社の肢別100問ドリルを利用しています。下記サイトから入手できます。

https://new.novelzidai.com/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?