毎日一分で読める憲法基本問題7
★今日の問題★
近代立憲主義の下で確立した権力分立制は、やがて、変容していく。変容によりどのような現象が現れたか?
胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」
建太郎「おう」
1秒
2秒
3秒
4秒
5秒
6秒
7秒
8秒
9秒……
胡桃「10秒経過。どうかしら?」
建太郎「三権分立が変容するってどういうことだ? 」
胡桃「これは、現代にも通じる話だけど、要するに、立法、行政、司法のいずれかの役割の比重が大きくなることによって、バランスが崩れた状態になることね」
建太郎「例えば、三権の中で、行政の役割が大きくなるとかかな」
胡桃「そうよ。答えをいうと次のような現象が現れるのね」
・政党国家現象
現代国家において、政党が発達して、政党が国家意思形成において、重要な機能を果たすようになったことを指している。また、議院内閣制の下では、下院の多数派政党が立法権と行政権を一元的に支配する状況が生じており、立法権と行政権の対立は、政府、与党と野党との対立関係に変化している。
・行政国家現象
積極国家、社会国家の要請に伴って、行政権の役割が飛躍的に増大した。これによって、行政権が肥大化し、国の基本政策の形成決定に事実上中心的な役割を果たすようになった現象のことである。
・司法国家現象
行政国家現象、政党国家現象により、立法と行政の区別があいまいになってきたことにより、行政の法律適合性の原則の意味が薄らいでいる。そこで、それを補うために、違憲審査権によって、司法権が立法権と行政権をコントロールして、政策形成機能を遂行する状況のことである。
※問題は、ノベル時代社の肢別100問ドリルを利用しています。下記サイトから入手できます。
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