南側隣家の二階増築行為が、北側居宅の日照、通風を妨げた場合において、この増築が、建物基準法に違反するばかりでなく、東京都知事の工事施行停止命令などを無視して強行されたものであり、他方、被害者においては、住宅地域内にありながら日照、通風をいちじるしく妨げられ、その受けた損害が、社会生活上一般的に忍容するのを相当とする程度を越えるものとなった。
 この場合、北側の家主は南側の家主に対してどのような請求ができるか?


胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」

建太郎「おう」

1秒

2秒

3秒

4秒

5秒

6秒

7秒

8秒

9秒……

胡桃「10秒経過。どうかしら?」
建太郎「ええっと、取り壊せとか? 」
胡桃「取り壊せとも言えるかもしれないけど、とりあえず、判例は次のような主張ができるとしているわ」

 設問の南側の家主の行為については、「その権利の行使は、社会観念上妥当な範囲を逸脱したものというべく、いわゆる権利の濫用にわたるものであつて、違法性を帯び不法行為の責任を生ぜしめるものといわなければならない。」と解される。
 よって、北側の家主は南側の家主に対して、民法709条に基づく、不法行為責任を追及できることになる。(最判昭和47年6月27日)

民法
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

建太郎「あ、なるほど、損害賠償請求ができるわけか」


※問題は、ノベル時代社の肢別100問ドリルを利用しています。下記サイトから入手できます。

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