前世で兄妹だったひとの話
中学生のころ、彼氏みたいに仲良くしている男の子がいた。 毎日のように一緒にいて、いろんなところに出かけた。マックにゲーセン、カラオケ、本屋さん、映画も何度か観たっけな。趣味もフィーリングも合う男の子だったから、何をしていても楽しかった。わたしはときどき、彼と一緒に歌いながら歩いた薄暗い冬の帰り道のことを思い出す。わたしは彼の、低くて優しい声が好きだった。彼に教えてもらった歌のいくつかを、わたしは今でもときどき口ずさむ。
そういえば電話もよくした。当時はまだ自分の携帯がなか