最後の夏が終わろうとしています。

 こんばんは。この、ちょうど人肌恋しいみたいな季節が私は大好きです。少し寂しい感じ。センチメンタルな感じ。少し風が冷たくて空気も若干冷えて、半そでじゃさすがに寒いね、何か羽織ろうかな。そんな夜が大好き。例えば部活帰りの話です。

 はのとです。初めまして。


 なんもねーよ夏、2022。なんか昨年も書いた気がする。毎年なんもねーな。じゃあ別に今年が何か特別なわけじゃないのかもしれない。いやいや、今年は特別なの。だからさっき寂しくて悲しくて悔しくて大泣きしたんでしょ。


 今年、私にとって学生最後の夏でした。来年から、運が良ければ学校の先生になります。結果はまだだからなんとも言えないけど。運が悪ければフリーターとして楽しい日々を送っていると思います。ウケる。うけねーよ。

 学生生活最後の夏休み。前半、というか8月いっぱいくらいは、教員採用試験の二次試験にすべてを費やしました。気になる人と距離を詰めるための連絡にもまあまあ勤しんでいましたが、基本的には教採まっしぐら。毎日8時に起きて、勉強して、面接練習して、夜23時に眠る。そんな毎日。模範的。

 そしてようやくそれが終わり、終わったその日、その足で大学の部活のたまり場に遊びに行くと、たまたまいた後輩たちが、教採お疲れ会を開いてくれました。「待って、今日金持ってないから今度にしね?」って言ったら、「はのとさんに奢れる滅多にないチャンスなので今日以外の選択肢は与えません。」とのこと。なんだそれ。私がいつも後輩を金で釣ってるみたいじゃん。間違いないです。

 その翌日、いいなと思っていた人とデートして付き合うことになりました。この夏1番の出来事ですね。さすがに。

 そして、それから2週間後には部活の合宿を控えていました。3年ぶりに大学から許可が下りた合宿。1個下の幹部たちが一生懸命用意してくれていた合宿。コロナで行けないとか笑えないので、飲みとか食事とか一切やめました。部活の練習以外で外に出ず、遊ばず、最大限の注意を払って。


 無事に合宿当日を迎えました。合宿中は誰も体調不良にならず、それどころか施設の方々に感染対策やマナーを褒めていただき、私たちは最高の合宿を行ってみんな元気に帰ることができたんです。素敵です。最高の思い出でした。

 合宿が終わって大学に戻り、私は恋人、あ、部活の部長と2人で近くのビジホでお疲れ会をしました。泣きながら合宿を振り返るだけの時間。合宿を経験したことのない彼らが企画し、そして合宿を知っている私たち4年が大満足して終了。これ以上のことはない。本当にありがとう。エモい話をして、眠りにつきました。

 翌昼、彼が微熱を出しました。チェックアウト直前でした。疲れだろうなと思いましたが、大事をとって予定よりは早いけど今日は解散しようとなり、解散。本当はもうちょっと一緒にいたかった。

 家に帰り、私も疲れで一旦眠って、夜、彼から連絡が来ました。発熱していた。私も熱を計ると微熱。疲れかなーと、未だその疑いは晴れませんでしたが、年のために家の中で隔離することになりました。

 結果から言うと、2人とも陽性でした。そしてさらに言うと、恋人とは言え周りには公表してないですし、合宿中特にずっと一緒にいたわけではなく、むしろ彼よりも行動を共にしていた人たちはたくさんいたのに、合宿に参加した40人少し、私と彼以外は全員今も元気です。これは、完全に全員陰性です。誰にもうつっていません。

 私と彼も、ほぼ同時に症状が出たので、どちらかがうつしたというよりは同時にどこかでもらったのでしょう。なんと運が悪いこと。彼は言いました。「はのとさんと付き合えたから、その反動で今苦しんでるんだと思います。いいことばっかり続かないから、これ乗り越えたらもう勝ちです。」可愛いな。そう、うちの子、可愛いんです。


 結局合宿が終わっても1週間は隔離生活。合宿までは我慢していたあの人やこの人たちとの飲みや遊び、ほとんどなくなってしまいました。1番楽しみにしていた後輩と同期とうちでやる予定だったBBQもなくなりました。リスケしましょうって言ってくれてるけど。ありがとう。でも、今日、BBQ日和だったね。


 今は大学4年生。過去3年間、1年生のときはたくさん遊びました。後悔のないくらい遊びました。ですが2年生以降は、社会が変わったこと、そして私が教採の勉強に力を入れ始めたことにより、私の夏休みはただ勉強するためだけの時間になりました。

 昨年もそう。大学は再開されたけど、夏休み、誰かと遊んだ記憶はありません。前半にあった部活のライブに、あ、軽音楽部なんですけど、そのライブが最初で最後の夏でした。寂しかったけど、しょうがない。


 今年こそは、前半は潰れてしまうけれど、後半は合宿もあるし、それが終わったらすぐ授業始まっちゃうけど、だけど、いっぱい遊ぼう。ちょっと無理するくらいのスケジュール入れちゃったけど、いいもん。全部楽しいことだから。3年分の鬱憤、やりたかったこと、大学生のうちに知っておきたいこと、全部やらせてよ。

 そう思っていたのに。楽しみにしていたのに。ほとんど、できなくなってしまった。寂しい。辛い。悔しい。


 私は、コロナを極度に怖がっていました。感染した今もなお、怖がっていたことは正解だったと思っています。家に着いたらすぐに手洗ううがいは当然として、大学についてもするし、大学やそれ以外の場所でご飯を食べるときもそう。てか、外食だって自分の中で解禁したのは今年に入ってからです。それまでずっと怖かった。

 合宿中も例に漏れず、誰よりも感染対策をしていました。マスクは必要最低限の場所でしか、シャワーとかね、そういうときしか外さなかったし、お酒飲んではめ外すのも嫌だったので、控えました。飲んだっちゃ飲んだけど。

 消毒もいっぱいして、喉に致死量のスプレーも浴びました。悔しい。私が何をしたって言うんだろう。私、何か悪いことした? 確かに、合宿中に後輩を1人酷く傷つけてしまった。でも、それは当人間で話し合わせてもらって形式上は一応解決したし、療養期間終わったら会う予定もあるので、そのときもう一度、直接話をしようと思っているところです。

 でも、それ以外は? 夏休みだって、毎日一生懸命勉強していただけだよ。悪いことなんてしてない。これは恋人も一緒。みんなのために、未経験の合宿を企画して準備して色々なところと連絡を取って調整して、本当にその苦労は計り知れない。だって、私も幹部だったけど、私のときは合宿なかったから。

 一生懸命頑張ったのにね。ついてきたのが、私たちだけがコロナになったという事実。


 私の最後の夏が終わります。学生生活最後の夏が。あんなことがしたかった。こんなこともしたかった。本当は、2年生のときはあれがやりたかった。3年生ではあれがやりたかったし、今年はこんなこともしてみたかった。

 その中の大半は、できないまま終わってしまいました。寂しいな。やろうと思えばいつでもできるようなことばかりだけど、でも、夏って、夏休みって、やっぱりどこか特別で。私みたいな子どもには、どうしても夏休みって特別に感じられちゃって。

 やりたいこと、できなかったな。


 でも、そんな後悔ばかりしていても仕方ないから。まだ残っている予定もあるし、これからリスケする予定もあるし、大学が始まったら大好きな後輩や同期とたくさん会えるし、今年こそ、それこそ最後だから、たくさんの後輩とご飯に行ったり飲みにいったりしたいな。

 やりたいことはたくさんあるの。できなかったことよりも、できたことをこれから増やしていきたいから。最終的に、出来たことの方が多かったらそれでいいと思うの。今は悔しいけど。今は悔しくて苦しくて寂しくて涙も止まらないけど、いいの。最後、笑って終われれば、いいの。


 なんもねーよ、夏。ver2022。いいよ。なんもなくたって。残り半年のなんもない日常を、夏休みよりも特別なものにしてやるんだから。

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