小学校二年生で仲良くなったkへ

 お元気ですか。kに手紙を書くのはかなり久しぶりだね。小学生の頃、しかも低学年以来じゃないかな。久しぶりにあなたに手紙を書こうと思います。

 今は何をしていますか。大学生か、専門学生か、それとも社会人として働いているのか、私にはまったくわかりません。そこら辺の情報には常に疎く生きているので。人脈がないだけなんて言わないでお願いだから。知ってるから言い訳させて。

 小学二年の頃同じクラスになって、当時の一番の仲良しだったね。お互いにそう思ってたかは分からないけど、私はそう思ってたな。てか、一年生の頃から何気に関係はあった気がするけど、あまりにも記憶が曖昧なのでなかったことにしよう。

 kは強めの性格で、きゃきゃっみたいな感じとはかけ離れた子だったね。クールと言うか、うん、そんな感じ。それにつられて私も真似してみたけど、自然なクールにはなれなかったな。そのせいで何故か、ことあるごとに私はkに危害を加えられていたような気がする。それは流石に語弊があるけど、私はそんなkみたいになりたいってずっと思ってた。

 中学生になって、同じ部活に入ったね。てか、私が四年生で始めたピアノ教室に五年生ごろから一緒に通い始めたのってkだっけ?多分そうだよね?連弾したよね?ラピュタの君をのせてだっけ?こんなこと久しぶりに思い出したわ。今手紙書いてなかったら一生記憶の渦に消えてたね。間違いない。
 まあその縁あってか、選んだ部活がたまたま同じ吹奏楽部で、二人して同じ楽器を希望してたような気がする。でも私しか希望は通らなくて、kは似てるけど違う楽器に配属になったよね。結局最後にはその楽器大好きになってたのはすごく覚えてる。やっぱりkにはサックスが似合うよ。

 そんな部活だけど、それのせいで私たちの関係って少し変わったよね。何とは言わないけど、あれがきっかけで少し距離が出来た。話し方とか内容とか、そういうのは変わらないはずなのに、どこかよそよそしくて、他人行儀で、居心地が悪くて。お互いにそう思ってたから、次第に話すことも減っていって、結局この間の成人式でも話せなかったね。何度も視界には入ったし、話しかけようかとも思ったんだけど、出来なかった。大人げないよね。ごめん。


 結局真相なんて分からないし、今となっては最早どうでもいいけど、あれが私たちを分かつものだったことは確か。当時、素直になれなくてごめんね。意地張ってごめんね。ちゃんと話せなくてごめんね。空気悪くしてごめんね。
 なんて言っても遅いし、もしかしたらもう一生、kと会うことはないのかも知れない。それってすごく寂しいけど、その感情すらも、今この手紙を書いて初めて気が付いた。言葉にするって、本当に大切なことなんだね。

 たまにインスタで、フォロー外のおすすめとして見かけることがあるけど、すごく女の子らしくて大人っぽく変わってる姿を見て、私は置いて行かれてるなって。私が知らない高校の三年間、一体どんなものだったんだろう。知ることは出来ないけど、楽しそうにしているならそれが一番です。

 kもたまに私のこと思い出して、あんなことあったなって感傷に浸ってくれてたらいいな。難しいと思うけどね。

 関係は少し遠いものになってしまったけど、kは紛れもなく私の人生最初の濃い友だち。それは一生変わらないんだなあ。沢山遊んで、沢山笑って、沢山の時間を共有してくれてありがとう。

 これからも、健康に楽しく過ごしてください。
 まだまだ寒い日々は続きますが、kは確か花粉症じゃなかったと思うので、この暖かさをどうか享受してください。

 いつか会う日まで。


2021年2月12日 はのと

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