ポジティブなことは口に出してくれる???

 こんばんは。車を買いました。大学4年の秋になんとなく行った中古屋さんで、値段だけ見て買った前の車。車なんてなんでもと思っていましたが、運転していると欲しくなる。色んな車屋さんに行って「ピンクの車が欲しい」と言って追い返されていました。悲しいね。でも見つけたんだ。NISSANのnoteを。

 はのとです。初めまして。


 先日恋人とデートをしました。別段普段と変わったことはないが、いつもは2日間デートをするんだけど、この日は時間がなかなか合わなくて日帰りデート。付き合って初めてでした。今までどんだけ予定合ってたんだか。

 我々はだいたい2週間に1回くらいの頻度でデートをします。どうやら少ない方であることがここ最近判明したのですが、私たちにとってちょうどいい頻度なのでいいでしょう。特に困ったことはないので、このまま続けていければいいかな。

 お互い大学生のころは、同じ部活に入っていたので週に3回くらい会っていました。それと比べたら少ないけど、そのころは会っていただけで別にデートをしているわけではないので、今のほうが充実した時間を過ごしていますね。


 この日は、おしゃれなカフェに行ったら大混雑していて入れなくて、その近くにあったインドカレー屋さんに行ってめちゃくちゃなカレーを食べ、同じ靴屋に5回くらい入って、1年くらい前に見たのとプラネタリウムを見て、チェーンのカフェで紅茶を飲んで帰りました。なんだそれ。

 めちゃくちゃなカレーというのは、めちゃくちゃに美味しいんだけど、セットがチーズナンだったので重すぎてめちゃくちゃだったっていう話。私が食べきれなかったのを食べてくれたけど、お互いに苦しんでお店を出ました。

 店員のお兄さんの腕がガストンくらい太かった。


 この日はちょうど生理初日でさ。午前中はよかったんだけどだんだんお腹が痛くなってきて、夕方くらいにはもう歩くのもしんどいくらい体調が悪くなってしまっていました。悔しいね。分かっていたのにデートをしてしまう。

 恋人は心配して「今日はもう帰ろう。ゆっくり寝よう。」と言ってくれたけど、目は全然そんなこと言ってないし、私もそれは嫌だったので、折衷案としてカフェに行くことにしました。

 さっきも別のカフェでアイスモカを飲んだのに、またカフェに入ってのんびりする。別になんでもない話をする。日々を振り返って仕事の話とかをする。私は社会人2年目、恋人は社会人2か月目。ぺーぺーの2人で仕事の話をする。若いね。


 大学4年の夏、つまり2年くらい前に付き合い初めました。最初は人懐っこくてただただ可愛い後輩だった恋人も、いつの間にか隣で私を支えてくれる存在となっていて。4月からは仕事をしていて、お給料をもらっている。大学生だったのに。一緒に軽音楽部で銀杏BOYSとかをやっていたのに。

 そんな青春を過去に、私たちの日々はどんどんどんどん進んでいく。ぼーーっとしていたら、23歳の夏に差し掛かろうとしています。ちょっと前にね、昨年自分が言っていたことを思い出しました。

 「24で結婚して、25で新婚旅行に行って、27くらいで1人目を産みたい。子どもを産むのから逆算すると、そのくらいだと思うの。」

 まだ大学生だった恋人に、私はぼんやりと考えていた自分の将来像を話していました。最初は「早くない?」と言っていた恋人も、私があまりにも論理だてて話をするものだから、最終的には納得していたように記憶しています。

 24で結婚ってことは、来年じゃね? それに気づいたのが、その日の1週間前くらいでした。


 それからというもの、ずっと1人でもやもやもやもやと考え事をしていました。来年? 来年結婚するの? まだ働き始めたばかりの恋人。私だって社会人としてはまだまだこれから。始まったばかりの社会人編。

 来年結婚? 実家でのらりくらりと生きている私、来年結婚? 自分で言ったことなのに全然現実味がなくて、でもそうしたいとは思っていて、いったいなんなんだろう、どうしたらいいんだろう、なんて堂々巡り。堂々と巡った結果たどり着いたのは、こんなに考えているのはきっと私だけなんだろうなという切なさでした。

 恋人が、結婚も出産もそこまで現実的に考えられていなかったのを、私は知っています。子どもに関しては、そんなに欲しいと思っていないことも、私は知っています。全部知っている。結婚はする気あったけど、そんなに早くなくていいんじゃないって、恋人は思っている。私はそれを知っているけど、私はそうは思わない。

 子どもは絶対に欲しい。絶対に産みたい。でも、私1人が望んだって意味がないことも分かっています。たとえ子どもができても、別に俺は望んでいなかった、そんな酷いことを言う人ではないけどね。でも私はきっと、自分が望んで授かった子どもだから、恋人は欲しいって言っていないから、あまり頼ってはいけないと思うんだろうなって思います。

 そういうことを考えるたびにもやもやとして、絶対に恋人と結婚したいのに、それを考えるのが苦しくなっていました。


「結婚、する?」


 気づくと私の口からはそんな言葉がこぼれていました。隣に座っていた人がちらっとこちらを見たのが分かりました。恋人がぽかんとしているのも分かりました。それが分かってから、私は話の口火を切ったことに気づきました。

「もともとの計画だと、来年だよね。来年、結婚、する?」

 言葉を少し足します。お腹が痛くてちょっとだけ気持ち悪くて、そんな私の頭では難しいことは考えられなくて。思っていたこと、抱えていたことがどろどろと流れていきました。

「来年結婚って話をしていたのに、なんか、全然現実味がなくて、もっと具体的に考えないといけないと思うんだよね。」

 恋人は少し考えた後で、ちょっと待って、と私の言葉を制止しました。

「早いよ。来年? 俺、まだ1年目だよ? お金もないし、来年なんて、考えられないよ。」

 すぱっと言われてしまいました。そうだよね。そう思ってることは分かってた。でも、私はこんな風に返してしまう。

「うん。でも、来年結婚するって話は、今出た話じゃないよね。今、そうやって驚くことじゃないよね。もう前から話していたことだよね。そこが論点じゃないよ。」

 感じ悪いよ。普段学校の先生をしているのですが、生徒を諭すときと同じように話をしてしまった。あー嫌だなって思う。恋人は、そうだけど、と口をつぐみました。


 そのあともいろいろ話をして、あと3年、と言う恋人に、3年は絶対に待てない、と伝える。まだ準備が、と言う恋人に、準備って何? 具体的には何を準備するの? と返す。まだ遊びたい、という恋人に、結婚したって別に遊べるじゃん、と返す。

 恋人はここに突っかかってきた。「本当にいいんだね? 今と同じように遊ぶよ? いいって言ったよね?」その言い方に少し腹が立って、「そう言われると困るんだけど。」と返す。別に険悪なムードになっているわけではないんだけど、なんとなく言葉がどんどんストレートになっていく。それをひしひしと感じる。

 ここまで話をして、私は自分が本当に抱えている不安に気づきました。別に私は焦っているわけではない。とにかく早く結婚したいわけではない。無駄に付き合っている期間を延ばしたくない、というのはあるけど。でも、時期にこだわっているわけではない。


「そういう風に言われると、自信がなくなる。私と結婚したくないのかな、とか、結婚したい、と思わせる何かが足りないのかな、とか、踏ん切りつけられないのかな、とか。不安になる。自信なくす。」


 これが私の本音でした。なんとなくずっと言えずにいた微妙なこの本音。ようやく自分の外に出すことができてホッとしてもいいところではあるんだけど、あー伝えてしまったなーというちょっとの後悔もあって。

 だけどね、私がこの話をしている最中、恋人はずっと「え!?」「そんなことないよ!」なんて大袈裟なくらいの反応を示していた。私の心配など、梅雨知らず。

 「俺ははのとさんと結婚したいよ。今後、こんなにいい人と出会えるなんて思えないし、はのとさんと結婚したいってずっと思ってる。」

 その言葉で私の不安が一瞬で吹き飛んでさ。今まで恋人はお金のこととか自由な時間のこととか結婚するにあたって変わるいろいろなことの心配をしていた。知ってる。ずっと言ってた。でもね、結婚をするということについては否定したことなくて。そうじゃん。不安に思っていたけど、結婚することについてはずっと前向きなことを言っていたじゃん。私は何に不安になっていたんだろう。

 考えすぎちゃったねえ。

 でも、恋人の言葉はここで終わりませんでした。家に帰らないと、ということで駅まで並んで歩きながら話していたのだけど、ぽつりぽつりと少しだけ降る雨の中ね。こうも言いました。

 「子どもだって、ずっといなくてもいいって思ってたし、前向きに考えられなかったけど、最近ははのとさんとの子どもならって思うようになってきた。はのとさんとの子どもなら、欲しい。」


 うぎゃーーーーーーーーーーーー!!!!! 私の大きな懸念点が。こんなにもあっさりと打ち砕かれていた。小さい頃から子どもを産んで育てることが夢だった私。子どもが欲しいから結婚したいまであった私。もし子どもが産めない身体だったら養子をとろうとも思っていた私。

 恋人は小さな子どもが苦手で、公共の場で騒いでいる子どもを見るたびに不安そうにしていた。それは、うるさく騒ぐ子どもが迷惑だからではなく、自分はこんなふうに騒いでいる子どもをしっかり躾けられるのか、という不安。そして、自信がない、に起因する不安。

 親になる自信がないから子どもを前向きに考えられない。そんなふうに言っていたのに、その考え方も少し変わっているんだな。私と一緒に時間を過ごす中で、考え方が変わる。それってすごいことだよね。逆も然りで、恋人と過ごす中で自分の考え方が変わってきているなと思うこともある。


 そんな恋人の言葉を聞いて、さらに安堵の息を吐く私に、恋人がトドメを刺してきました。

「幸せになるんでしょ?」


 その言葉を聞いて、理由は全く分からないけれど突然涙が溢れてきました。いや、理由は分かっています。堂々巡りで自分の中で不安だった、私と結婚したいと本気で思えていないんじゃないか、というものが完膚なきまでに打ち砕かれたから。

 プロポーズされるときって、もしかしたらこんな気持ちになるのかな。私はまだ23歳で、社会人2年目で、そんなのずっと先のことだと思っていました。ずっと夢みたいに思ってた。プロポーズとか、結婚とか。まあ全然まだ先のことだけど。


 そうやって、今まで聞けずにいた恋人の本音を知ることができ、そして普段から甘えてばかりの可愛い恋人が放った嘘みたいなセリフに、私の不安は消し飛ばされて落ち着いたのでした。

 結局婚姻期間からの入籍というリアルが見えていなかったのでもう少し話し合いは必要ですが、そう遠くない未来に結婚する。一緒に住む。それが分かっただけで満足です。


 車を買ったときに、自分で100万を払い残りの100万を母に借金しているので、貯金も最初からやり直し。結婚までにしっかりためて万全の状態でプロポーズを待つぞ。

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