人に嫌われるということ

 こんばんは。先日部活の合宿で地元よりも寒い地域に行ったのですが、そのノリで帰ってきたら全然まだこっちあちーってなって焦りました。でも、3年前の合宿でも思ったことだけど、合宿から帰ってくると、一気に秋の香りがする。ちょっと寂しい感じが、私は結構好きです。

 はのとです。初めまして。


 物騒なタイトルでごめん。私自身の問題としては一旦落ち着いたので、ここで書いておこうと思います。ちょっと暗い話題なので、余裕のある人だけ読んでいただけると。


 私は、人に対して嫌なことは嫌だとはっきり言ってしまうところがあります。それに、秩序を乱されると、結構本気の怒りが来ます。ルールに忠実であることが、私の人生のモットーです。

 というわけなので、昨年まで副部長をやっていたときは、いつも怒っている先輩というか、怒らなければならないときに出てくるのはいつも私だっていう認識で、後輩からも、厳しい先輩、怖い先輩って思われていました。

 今ではみんな、自分たちのために厳しいことも言ってくれる優しい先輩だって言ってくれます。今の幹部の代には、そうやって強く前に出られる人がいなく、秩序も乱れ始めているので、余計にそう思うのでしょう。


 だけど、本当は違うの。みんなのために厳しいことを言っている、というのはもちろん1つ理由としてあるけど、本当は違う。自分のイライラを正当化してみんなにぶつけているだけ。そんなしょうもない人間なんです。だめだねえ。分ってるよ。


 今回の合宿も、私はもう4年生で幹部ではないただの部員。なのに、新入生に対して厳しい言葉をかけてしまいました。時間を守らず幹部を困らせていたからです。どう考えても、4年がでしゃばる場ではない。3年生がちゃんとしめなきゃいけないとこ。

 そんな感じで、私は口も態度も悪いから、最初はみんなに一線引かれます。だけど、関わっていく内にちゃんと受け止めて、受け入れてもらえることが多く、それはとってもありがたいことです。こんなすっとこどっこいでも、受け入れてくれる後輩たちが大好きで大切です。


 そして私にはもう1つ、直さなければとずっと思って努力している欠点があります。言葉を選ばず、場所もわきまえずに好き勝手言うところです。さっきのあれ、こうした方がよかったよねーとか、そういう感じ。誰かが確実に傷つく話題を、どこでも構わず日常会話の中に組み込んでしまいます。

 他意はないです。傷つけるつもりもありません。でも、傷つく人がいるのは当然。今回のタイトルも、これが原因で引き起こしてしまいました。


 後輩との会話の中で生まれたちょっとした一言が、それを聞いていた別の後輩を深く傷つけてしまったのです。それに気づかせてくれたのは、その後輩と1番親しい別の後輩でした。彼は激怒して私にラインを送ってきました。あなたのことは嫌いになりました、という趣旨の、スクロールしてもしきれない量の罵詈雑言。

 その子には、前からそういう傾向がありました。私に刃が向かないだけで、色々な人や物事に対してイライラしては、関係のない私に対してあてつけのようなラインを送ってきたり、関係のない話題の中にそれを混ぜてきたり。

 人前で厳しいことを言えるのは、嫌われてもいいと思っているからだと勘違いされますが、そんなわけない。嫌われたくない。できればみんなに好かれたい。それが私の気持ちです。

 いつもだったら、彼からそういったラインが来たときは、一旦イライラするけどすぐには返事をせず、同じ熱量で喧嘩をしないように、先輩として心を落ち着かせて、諭すように返したり、必要なら電話をして詳しい話を聞いたりしてきました。

 彼は1度スイッチが入ると、誰の言葉にも耳を傾けません。彼の間違っている部分を否定して正すためには、まず彼の機嫌を回復させ、日を改める必要があるのです。だけど、改めたところで、彼から謝罪をもらったことはありません。彼は、謝れないのです。自分の非を認められないのです。


 そんな彼が、私の一言で傷ついて泣いてしまった友人のために、私にラインをしてきました。長文のライン。私、普段だったらイライラして「お前にだけは言われたくない」と思うんですけど、今回ばかりはシンプルに悲しかった。

 彼は、私が後輩の中で1番関わってきた後輩だと思います。1番相談に乗ったし、1番色々話した。その積み重ねてきた時間を、信頼を、私は崩してしまったんだなと。悔しいな。自分のせいだから何も文句なんて言えない。

 友人が傷つけられた、という事実だけを最後に添えて、残りの9.5割は自分の話でした。合宿中のこういうところがあり得ない、人としてゴミだ、教師になんか向いてない、みたいな言い方です。人を傷つける言葉を選ぶのが得意なんです。術中にはまり、私はしっかり傷つきました。


 すぐに、傷つけてしまった後輩に連絡しました。心当たりがないのも私の悪いところだけど、だけど、それを理解しないと、自分のためにも、心から謝罪するためにもダメだから。その後輩は、丁寧に自分の思いを吐露してくれました。

 私のせいではない、確かにきっかけはその一言だけど、こう悩んでしまったのは今までの自分の甘えや不甲斐なさから来ている、だから気にしないでほしい、ということでした。彼は、優しすぎる子、自己犠牲の子でした。

 彼は私の一言をきっかけに傷つき、泣いてしまった。これは変わらない事実で、私が完全に悪いです。私のせいです。本当にごめん。その言葉には本当はこういう意味があって、君を傷つけようという意図は全くなかった。辛いのに、たくさん話してくれてありがとう。そう言って、彼とのいざこざは、形式上ではありますが解決しました。

 問題は、私のことを嫌いになったと言った後輩。どう返信したらいいものか、1つ1つ弁明しても、言い訳に聞こえてしまうのではないか。そう思って同期に相談したところ、言い訳に聞こえちゃうかもしれないけど、誤解のままよりは気持ちを伝えた方がいい、と言ってくれて、私は1つ1つの事象に謝罪しました。

 本当だったら、いやそれはさ、というように反論したいこともたくさんあったけど、今回私にその権利はないなと思って。すべてきちんと受け入れようと。

 彼からの返信は、私の謝罪をすべて拒否した上に、私の人格や将来を否定するような、さすがにひどすぎる言葉の羅列でした。人から嫌われることには、正直慣れています。こういうはっきりとした性格なので。だけど、ここまで露骨に言われると、さすがに傷ついてボロボロで。なんでここまで言われないといけない? 当人間では解決したことを、それを置いて自分の感情を優先して憂さ晴らしをしようとしている?


 でもさ、さっきも言ったけど、きっかけは間違いなく私の一言で、それは自分でも本当に反省していることなんです。それが根底にあるから、やっぱりすべて受け入れないといけないなと思って、酷い言葉1つ1つを拾って受け入れている内に、涙が止まらなくなりました。

 母に相談しました。ラインを見せました。母は、「確かにはのとの発言がきっかけだったかもしれないけど、このラインを見る限り、はのとのことを嫌いになった事実よりも、どうやったらはのとが1番傷つくことを言えるか、どうやって傷つけてやろうか、っていう意思を感じるよ。」と言われました。

 そのあと、別の同期にも相談しました。ラインは見せずに、こういうことを言われた。という風に。そうしたら、母とまったく同じことを言っていました。「はのとのことを好きか嫌いかは正直彼にとってはどうでもよくて、それよりも、今はとにかくはのとの心をズタボロにしたい、って気持ちが先行してる。はのとの発言だって、誤解だったわけだし、当人間で謝って解決してるんだから、部外者の彼がこれ以上そのことで口を出す権利がそもそもない。」と、ケアをしてくれました。


 その言葉を聞いたときに、以前にも似たようなことがあったなと思いました。彼の畳みかけるような暴言のせいで退部してしまった私の同期がいるんです。そのときも、事実に対する怒りよりも、彼女を傷つけてやろう、ここから追い出してやろう、そのためにどんな言葉選びをしようか、という意図を感じました。相談された私が、当時は今の母や同期のようなことを思ったんです。

 そして、私が相談した同期が言いました。「彼のこの発言とか行動とかには、正直名前がつくと思う。障害とか、そういう何かしらの名前が。さすがに行き過ぎてるし、問題だと思う。」普段人のことにあまり関心を見せない彼女が、そんなことを言うとは思いませんでした。

 相談してきた同期も、当時同じことを言っていました。強迫性障害、というやつです。調べてみると、確かにあてはまるところが多いなと思いました。


 彼は小心者です。こういう怒りを、直接は言えないんです。しっかり文章を練って考えて、最悪の文章が出来上がってから送信するんです。今まで散々彼から話を聞いてきた私は知ってるんです。

 言葉選びも、苦手なんじゃなくて、むしろ逆に得意なんです。彼は苦手だって言ってたけどね。人を傷つける言葉を選ぶのが。

 だから、私が直接話を使用とすると、巧みに逃げます。逃げるというか、無視するというか、話題を転換するというか。オンタイムのやり取りは苦手なんだなって、ずっと思っていました。


 私が相談した同期がね、「彼のこういうところは部としても問題視するべきだし、私たちが知らないところで他にも傷ついている人がいるかもしれないから、それとなく後輩に聞いてみるね。」と言ってくれました。ちょうど、次のライブのことで1人の後輩と話をする予定があったみたいです。

 そして今朝、彼女と話をした後輩から連絡が来ていました。要約すると、「みんなはのとさんのことが大好きです。俺もその1人です。色々あると思いますが、最後まで部活楽しんでほしいです。これからもよろしくお願いします。」でした。

 彼は、言葉で伝えるのがとても苦手な子です。話すことが苦手。いわゆる典型的なコミュ障。なのに、そんな彼が、割と長めな文章を送ってくれて、本当に嬉しかったです。感動した。

 私のことを嫌いだと言った後輩がね、「多くの人を不快にさせ続けるあなたとは、これ以上一緒にできません。」って言ってたの。多くの人、っていう大きな主語が気になっていて、もしかして、合宿でもっと仲良くなれたと思ってたみんな、一緒にできてよかった、大好きですとか、伝えてくれた言葉も、実は嘘で、本当はみんな私に迷惑してるのかな、って、大好きな後輩のことを、疑ってしまっている自分がいました。

 でも、違った。ちゃんと、味方もいた。それだけで、私のことを思ってラインをしてくれる人が、伝えてくれる人がいるというその事実が、残りの半年も部活楽しもう、と思わせてくれました。

 そして同期からも連絡が来ていて、どうやら彼女と話をした後輩も、私のことを嫌いになった後輩の怒りっぽいところは関わりにくいし、だからこそ踏み込みづらいと思っていたそうで、ある程度の共通認識はあるみたいでした。


 今回のことは、完全に私が引き起こしたことです。私の悪いところが露骨に出た事件でした。本当に反省している。お口チャックして、フィルターも十分にかけて、場をわきまえて、きちんと言葉を選んでいこうと思う。

 そして改めて、私のことを大切に想ってくれている存在を認識することができました。大好きな同期、そして後輩と、これからも楽しいライブを作っていきたい。あ、今さらですけど、軽音楽部です。


 そしてやっぱり、人に嫌われるということは、まあ、さすがに、悲しかった。

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