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ブレーブス前半戦振り返り2024

どうも、ハーノです。
今回はブレーブスの前半戦を振り返るnoteを書いていきたいと思います。
それではいきましょう!

①ストライダーとアクーニャの全休、長期離脱の連続と貧打、誤算だらけの前半戦

❶痛すぎる故障連発、勝ちきれない前半戦
 今季のブレーブスはとにかく大きな誤算の連続で前半戦を終えました。
 3、4月こそ19勝9敗と投打が噛み合って開幕ダッシュに成功したものの、4月にストライダーが肘の故障でシーズン終了、5月にはアクーニャが左膝前十字靭帯断裂でシーズン終了。アクーニャは最速で開幕での復帰を、ストライダーはシーズン序盤での復帰を目指しています。
 サイ・ヤング賞筆頭候補と、前年のMVPを失ったブレーブスは、打線もなかなか調子が上がらず、そこにマーフィーやハリスの長期離脱が響く形になって、5月と6月は2ヶ月で勝率5割。7月もここまで7勝6敗となっており、なかなか苦しい状況が続いています。

 地区首位で絶好調のフィリーズには8.5ゲーム差という大差をつけられてしまい、ワイルドカードは1位を走ってはいるものの、時折WC1位どころか、プレーオフ陥落すらチラつく場面もありました。

地区レースは大苦戦
WCレースも予断を許さない戦局

 とはいえ、アクーニャ、ストライダーの投打の大黒柱を失い、マーフィーやハリスの長期離脱、その他主力の故障を抱えながらも53勝42敗の貯金11で前半戦を走ったのは十分に評価もできると思います。
 普通に考えて、アクーニャとストライダークラスの離脱となると、普通のチームならTDLは売り手必至、ましてや前半戦で貯金2桁は現実味の無いものでしょう。
 それを考えれば、苦しい面はあるものの、評価して然るべきでしょう。

❷極度の不振と下振れ、4失点以上で28連敗
 ブレーブスは前半戦、貧打にも苦しみました。
打線はオズナ以外軒並み不振に陥り、ケルニックは奮闘していたものの、アルビース、ライリー、オルソンらの大不振をカバーするには至らず。
 ライリーは6月後半からかなり調子を上げていますが、アルビースは相変わらず波が激しく、オルソンは長い冬眠状態に。マーフィー、ハリスもなかなか打撃の調子が上がらず、アルシアも苦しんでいます。
 これは下振れもあるようで、チーム平均打球速度MLB1位、チームハードヒット率MLB2位、チームバレル率MLB2位という各種チームスタッツを残していながら、それが結果に反映されない日々が続きます。
 結果的にチーム本塁打数MLB10位、チーム出塁率がMLB23位、チームOPSは MLB14位という有り様で、チーム得点数はMLB19位に沈んでいます。
 また、4月22日から7月6日まで、4失点以上した試合で28連敗というとんでもない記録が打線の苦しさを象徴していると言えるでしょう。
 ただ、直近10試合では8試合で5得点以上、5試合で6得点以上を挙げており、揺り戻しと回復の兆しは見えてはいます。

❸投手陣の大奮投
そんな誤算の野手陣を支えたのは投手陣でした。
ストライダーのシーズン終了の危機にありながら、復活したセールや先発再転向したロペス、左腕エースのフリードというオールスター選出トリオを中心としたローテを形成、イグレシアス、ヒメネス、ミンター、ジョンソンらを中心とした超強力リリーフ陣がそれをバックアップします。
特にリリーフ陣は、6回までにリードしていれば41勝3敗という圧倒的な堅さを誇ります。
そんなブレーブス投手陣のチーム防御率はMLB1位。
間違いなく、今のブレーブスを支えているのは彼らでしょう。

②補強組の活躍

 今季のブレーブスは、オフに補強した選手たちに大いに支えられています。今回はそんな3人の選手を紹介していきたいと思います。

❶クリス・セール

 まずはこの人でしょう。オフにグリッソムとのトレードでブレーブスにやってきて、2年(+球団OP)の契約延長もしました。
 そんなセールは今季35歳にして完全復活を果たします。開幕から好投を続け、エース級の大活躍。ホワイトソックス・レッドソックス時代の全盛期の姿を取り戻し、ここまで18先発で13勝(NL1位)、防御率2.70(NL2位)、110イニングで140奪三振(NL3位)、WHIP0.95(NL2位)、rWAR3.1(NL投手4位)、fWAR3.7(NL投手1位)という圧倒的な数字を残しており、自身8度目のオールスターにも選ばれ、サイ・ヤング賞候補の1人にもなっています。
 彼がいなければブレーブスは今よりも遥かに苦しいシーズンを送っていたことでしょう。チームが苦しんでいるときや連敗中でも、彼が投げてチームを勝たせてくれていました。2020年以降、ほとんど投げることすらできていなかったセールの復活劇には驚くばかりです。

素晴らしい復活劇

 セールは指標的にも圧倒的な数字を出しており、完全復活を物語っています。ブレーブスは昨年のセールの指標が良好であるのを見て獲得を決断したそうですが、ここもアンソポロスGMの慧眼には舌を巻くばかりです。

真っ赤な指標

オールスターでは登板こそなかったものの、自身8度目のオールスターは非常にエンジョイしていた様子で、ロペスが登板した際には真剣な面持ちでロペスの雄姿を撮影する場面もありました↓


❷レイナルド・ロペス

 続いてはこの人です。
 オフに3年30Mでブレーブス入りしたロペス。2018年、2019年は2年連続で180イニング以上を投げた経験もある右腕ですが、苦しい投球が続き21年の途中からリリーフに転向。それ以降、22年、23年はリリーフとして最速100マイルの剛腕が活き、高い評価を受ける剛腕リリーバーへと成り上がりました。
 そんな彼をブレーブスは先発投手という選択肢も視野に入れながら獲得。アンソポロスGMは防御率3点台半ばで一年間ローテを守ってくれる可能性に期待していたようですが、その期待を良い意味で大きく裏切り、17先発で防御率1.88は何とMLB1位、rWAR3.6はNL2位、fWARも2.3をマークしています。
 長いブランクゆえにスタミナ面はまだ戻り切っておらず、先発としては本来の力を全て取り戻しているわけではないようで、指標はリリーフ時代に比べると落ちていますが、普段は抑え気味ながら要所要所で力強く投げ込まれるフォーシームと強力なスライダーで相手打線を翻弄します。また、リリーフ時代に様々なシチュエーションを経験したのも彼の経験値として役立っているようです。
 今やセールと並んでブレーブスローテの柱となっており、先発再転向のブランクゆえに後半戦の体力面は不安もあるものの、かつてはイニングイーターとして戦っていたロペスがどんな投球を見せてくれるのか、期待したいですね。

まさかの大躍進を果たしたロペス

自身初のオールスターでは、中2日というのもあって六回2アウトからの登板になりましたが、ロイヤルズの強打の捕手サルバドール・ペレスから力のあるフォーシームで空振り三振を奪い、笑顔を見せました↓


❸ジャレッド・ケルニック

 三人目はケルニックです。かつては『マリナーズの希望』と称され、大いに期待さえていたケルニック。しかしなかなか結果が出ず、昨年は11本塁打で成長の兆しは見せたものの、チーム方針との兼ね合いもあってか、オフにゴンザレス、ホワイトとともにブレーブスにトレードされることとなりました。
 ブレーブスに来てからも試行錯誤は続き、伸びたりなやんだりというのを繰り返してはいますが、それでもアクーニャ離脱後はフルタイムの外野手として試合に出るようになり、6月15日のレイズ戦でハリスが離脱して以降は1ヵ月間センターを守っており、守備範囲はあまり広くないながらもガッツのあるプレーと持ち前の強肩を活かして奮闘、総合的には守備で大きなマイナスを作ることなく戦ってくれています。
 感情的な面も、見方を変えればそのガッツあるプレースタイルの根源にもなっており、ブレーブスファンからは既にかなり愛される存在になっています。特にハリスが離脱し、オズナも打棒に陰りが見えてきてチームが苦しんだ6月には、1番打者も務めながら打率.304、6本塁打、OPS.899と大奮戦、まさに『ブレーブスの希望』として活躍しました。
 7月は1番打者やセンターを任され続けてきた疲れが重くのしかかり、不振気味で8割近くまで上がっていたOPSも7割前半まで下がってしまいましたが、それでも今シーズン、これまでの戦いのなかで、攻守で彼の存在は非常に大きいものだったと言えるでしょう。
 本塁打数は既に10本とキャリアハイの14本更新も射程内。ロサリオの後任の補強・強化という意味でも、昨年142試合、478打数でロサリオが残したrWAR1.1、fWAR1.2という数字に対し、ケルニックは82試合、275打数の現時点でrWAR1.1、fWAR1.0という数字を残しており、その役割を十二分に果たしていると言えるのではないでしょうか。

後半戦も頑張ってほしいですね

③前半戦MVP「BIG BEAR」

 続いて、前半戦MVPですが、これはもうこの人でしょう。昨年40本塁打を放ち、まさかの復活を果たすと、今季は貧打に喘ぐ打線の中で孤軍奮闘、自身3度目のオールスターとホームランダービーに出場も果たした「Big Bear」ことマーセル・オズナです。
 今季はここまで打率.303(NL6位)、26本塁打(NL2位)、77打点(NL1位)、OPS.960(NL3位)をマークしています。
 2021年にはDV、2022年は飲酒運転と問題が立て続けに起きたこともあり、大不振だった成績が復活しただけでも驚きで、まさかオールスターやホームランダービーの場に返り咲くとは誰も想像していなかったでしょう。
 彼に関しては複雑な感情を抱くファンは今なお多く、その場に返り咲くためには、まさに「オズナを選ぶしかない」というほどの圧倒的な成績を残す必要があったでしょう。そういった状況下で、実際にそれだけの数字を叩き出して栄光の一席を掴んだ事については、評価せざるを得ないと思います。
 そして何より、今季のブレーブスは彼無しにはここまで戦ってはこれなかったでしょう。長く重い貧打の中にあるブレーブス打線を、ここまで牽引してくれた事については、感謝したいです。

まさかの大復活、もう契約失敗とは言わせない?

 また、ホームランダービーでは初戦敗退だったものの、驚異の473フィートの特大ホームランを打ち、爪痕を残しました。

④TDL補強予想

 さて、ここからは日本時間7月31日午前7時に迫るトレードデッドラインまでのトレード補強予想です。
 現状、ブレーブスの補強ポイントは先発投手、遊撃手、外野手かと思います。ただ、遊撃手は現状まともな補強候補がほとんどおらず、プロスペクトのナチョ・アルバレスが3Aで活躍しているのもあって、補強に出る可能性は高くないのではないかと考えています。現状であればCHWのデヨングが候補でしょうが、市場に出る遊撃手が少ない分、争奪戦になる可能性や指標面でのマイナスを考えると、あまり積極的には動かないのではないでしょうか。
 リリーフについてですが、現状の布陣が圧倒的に強力なので基本的には必要性は低く、そもそも誰も取らないという可能性もあり、あっても1人誰か追加する程度かと思います。
 そのため、主な補強ポイントであろう先発と外野手について、まとめてみたいと思います。

①先発投手
 まず、チームの先発事情から見ていきたいと思います。ブレーブスの先発ローテは、セール、ロペス、フリード、モートン、シュウェレンバックの5人を軸にできる限りロペスが中5日で回るように時折マイナーからの昇格組を挟みながら回しているのが現状です。
 面子だけで見れば強力ですが、セールは故障リスクが気になりますし、ロペスは先発再転向1年目で後半戦のスタミナには不安が残ります。フリードも何かと離脱のリスクがチラつく投手ですし、モートンは40歳で衰えからかピッチングもかなり不安定になっています。シュウェレンバックは奮投していますが、まだルーキーであり、あまり無理はさせられません。
 そう考えると、先発補強が欲しいです。ストライダー離脱の穴が非常に大きいのも一因でしょう。また、来季はフリードとモートンが居ない可能性もあり、来季まで保有権が残る投手が手に入ればなお良いでしょう。
 そういった中で、ブレーブスがある程度活躍も見込めるスターターを狙うというのは、何もおかしな話ではありません。
【個人的に獲得候補】
❶エフリン(TB)…指標が良いのはAA好み、来季まで保有権もあり、TBも放出の可能性あり。ブレーブスはストライダー離脱時に獲得を視野に入れていたという噂も。
❷フェディー(CHW)…指標も良く、しっかり成績を残している。来季まで安く保有可能、クロシェほど対価も高くなさそう
❸フラハティ(DET)…保有権半年の面子の中では最高ランク。対価もそこまで好投はしなさそう。故障リスクは高いが、その分ハイリターン。
❹菊池(TOR)…先発左腕で速球派、三振が取れるのも貴重。不安定ではあるが、故障リスクも高くなさそう。
❺シャーザー…やはりビッグネーム、経験値も高い。ただし年齢的な衰えや、状況次第ではトレード拒否権行使の可能性を示唆しているのは不安要素。

②外野手
 次に外野手補強です。2021年と比較して、何らか大きな動きを予想する声もありますが、本来守備固めのはずのヘレディアがスタメンを張っていたような当時に比べればはるかにマシな布陣を組んでいるため、おそらくその可能性は薄いかと思われます。
 現状の布陣はハリス(7月末復帰予定)、ケルニックが固定で、対左投手OPS.863という左キラーぶりを見せるデュバルが3番手になっています。他だと、現状はロサリオやラウレアーノがいますが、ロサリオはWSHの頃とあまり変わらず不振、ラウレアーノは復活の兆しを見せていたもののIL入りと、各々が苦しんでいます。
 何よりデュバルの対右OPS.422(これでもかなり回復した方で一時期は2割台だった事も)はチームにとって大きな課題になっており、ここがブレーキになって右投手に苦戦する試合が少なくありません。
 そのため、できれば対右投手をしっかり打てる外野手が欲しいところです。正直なところ誰をとっても対右投手の強化にはなるので、まぁ、とにかく打線強化のために外野手補強が欲しいですね。
 プロスペクト事情を考えれば、出来るだけ安価な対価で済みそうな選手を狙うのではないでしょうか。
【個人的な獲得候補】
❶ウィンカー(WSH)…対右投手にとにかく強い。守備に不安はあるものの、残り試合数と対左投手の試合にはデュバルが出ることや守備固めというやりようはある。個人的には最推しの候補。
❷ファム(CHW)…対右も取り敢えず見ていられるレベルには打てる。左にも強い。彼が入れば対右の試合では左が少し苦手なケルニックをベンチ待機で、両翼を左に強いデュバルとファムで固められる。PO通算115打数で打率.313、OPS.846な飲魅力。
❸ベイダー(NYM)…メッツが売り手に回るかは微妙ではあるものの、右打者ながら今季は対右投手に対して174打数でOPS.813とよく打っており、ブレーブスの要求にはフィット。

⑤ドラフト1巡目はカム・カミニティ

 日本時間7月15日、MLBではドラフト会議が開かれ、ブレーブスは1巡目(全体24番目)でカム・カミニティを指名しました。
 カミニティは高校生先発左腕で、17歳ながら最速98マイルの剛球を投げ、高校No.1左腕という評価もされていました。ここまで残っていたのは奇跡的な事で、非常に嬉しい指名になりました。
 ちなみに、1996年にMVPを獲得するなどしてMLB通算239本塁打を記録したケン・カミニティとは血縁関係にあるそうです。
 非常に期待ですね。

ブレーブスが1巡目、全体24位でカミニティを指名!↓

 ブレーブスは上位10人の指名のうち9人を投手で固めました。
 これは、現状ラインナップ9人のうち6人分が球団OP込みで2027年まで固定されているのを考えると、妥当なようにも思います。
 空いたポジションも、ショートはアルバレスや海外ドラフトで獲得した逸材ペルドモもおり、外野は補強もしやすいポジションです。DHは補強のしやすさもありますが、今後膝に不安を抱えるアクーニャが座る可能性もあります。
 唯一の野手が捕手だった辺りは、マーフィーをバックアップするダーノーの後釜として傘下プロスペクトでフューチャーズゲームにも出場したBaldwin以外の選択肢の可能性が欲しかったのかなとも思いました。

⑥後半戦の日程

 さて、最後にこれに触れておこうと思います。ブレーブスは今後の日程は対戦相手の平均勝率が.492とMLBで7番目、ナ・リーグでは3番目に緩いものになっており、その点は希望が持てます。
 ただ、TDLまでにカージナルス3連戦、レッズ3連戦、メッツ4連戦、ブルワーズ3連戦と、プレーオフを争うチームとの連戦が控えています。現在この4チームのうちレッズを除く3チームがプレーオフ圏内におり、油断はできない状況が続きます。また8月にはブルワーズ、ツインズとのカードやフィリーズとの7試合が9月頭まで跨っていたりと鬼門も少なくありません。
 9月がドジャースやロイヤルズ戦があるものの、全体的に見ると比較的緩い日程なので、そこに向けてどれだけ踏ん張れるか、そしてそのなかで貯金を増やしていけるかがプレーオフ進出、そして僅かに残されているかもしれない逆転地区優勝に向けた勝負の分かれ目になりそうです。 

⑦まとめ

 いかがだったでしょうか。ブレーブスの前半戦について、できる限りまとめてみましたが、兎にも角にも頑張ってほしいところです。ブレーブスの今後の戦いにも期待したいですね。
 ひとまず、TDLが楽しみです。

頑張れブレーブス!!!世界一へ!!!!!!!

 それでは、また!

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