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歴史的な建物の魅力を探る!飯能まち歩きツアー

2023年5月20日(土)、飯能市在住の建築家・浅野 正敏さんのガイドで「歴史的な建物の魅力を探る!飯能まち歩きツアー」を開催しました。

飯能の中心市街地には、江戸時代から昭和期にかけての建造物が数多く残っています。現在も営業している店舗や住民の方が住んでいる家屋、さらにリノベーションでカフェやギャラリー、雑貨店になっている建物もあり、駅から歩いて回れる範囲で気軽にレトロな街並み散歩を楽しむことができます。

当日は、西武池袋線「飯能駅」改札口に集合。大学生から60代まで、12名にご参加をいただきました。スタート時には生憎の雨でしたが、まち歩きをしているうちに雨も上がり、飯能の歴史と建築物の面白さを体感いただくツアーとなりました。

【まち歩きコース】
材木通り→川寺街道→南裏通り→畑屋(旧料亭)→銀座通り→旧・飯能織物協同組合事務所棟(隣接する「蔵」で伊勢屋の久下だんごを食べて休憩)→大通り→北裏通り→蔵を活用したレストラン「時」(ガレットのランチをいただいて解散)

飯能駅を出発して、まずは川寺街道から南裏通りを飯能河原方面へ歩きました。この辺りは、住宅や長屋建築、蔵など、いまも現役で使われている古い建物が並ぶ通りです。適宜立ち止まりながら、浅野先生からそれぞれの建物の特徴について話を聞きました。

南裏通りの2階建長屋建築

南裏通りの西端、飯能河原近くは料亭建築が数軒集まっており、花街が栄えたかつての賑わいを感じさせます。

花街の小料理屋だった「八千代」。数寄屋造りの近代和風建築です

次に訪れたのは、銀座通りです。ここには、建物前面の壁をモルタル等で洋風に造作した「看板建築」と呼ばれる木造の商店建築が残っています。かつては看板建築の街並みが通り沿いに続いていたそうです。

銀座通りの看板建築
元金物店がリノベーションされ今年5月にオープンした「くらしの循環センター フカダヤ
旧・飯能織物協同組合事務所棟

銀座通りから小路を少し入ったところに、「旧・飯能織物協同組合事務所棟」があります。
1922年(大正11年)に建てられたこの建物は、通称「オリキョー」と呼ばれ、長く飯能市街地のシンボル的存在として親しまれてきました。2018年の組合解散後、現在は埼玉ハンノウ大学の活動拠点として活用されています。建物全体は洋風建築ですが、漆喰内壁の鏝絵(こてえ)や屋根の鯱(しゃちほこ)など、和洋折中の意匠が特徴です(国登録有形文化財)。

織物産業が栄えた時代を偲ばせる「旧・飯能織物協同組合事務所棟」内観

オリキョーには隣接して蔵も建っており、こちらはリノベーションされて現在はレンタルスペース・ギャラリーとして活用されています(ビリーフ・プラス蔵)。

オリキョー隣接の「蔵」

毎朝手作りの餅菓子が人気の「伊勢屋」名物・久下団子を食べながら、しばし休憩…。

「伊勢屋」名物・久下団子

ビリーフプラス・蔵ギャラリーにて、6月30日まで「小野たくまさ HENRO(遍路)展~飯能まちなかを描く~」開催中!

織協を出発した後は、県道28号線を広小路方面へ進み、銀河堂(現・喫茶店)や店蔵絹甚(現・ギャラリー)などを見て回り、さらに北裏通りにも足を延ばしました。

そばガレットが食べられる「工房 時」

最後は、飯高通りの「工房 時」へ。
ここはブルターニュ風そばガレットがいただけるお店で、古い蔵にキッチンや水回りを増築して営まれています。アニメーション業界で働かれていたオーナーゆかりのイラスト(手塚治虫先生など)が展示されている、文化を感じる空間です。
名物そばガレットを昼食にいただき、現地解散となりました。

気になっているけれど由来のわからない建物。そんな建物も浅野先生のガイドがあると背景まで含めて知ることができます。そして建物だけでなく、街の成り立ちや往時の人間の生活までが見えてくるものです。
埼玉ハンノウ大学では、旧・飯能織物協同組合事務所棟など飯能市の歴史的建築物を後世に残し活かす活動を進めています。今後もツアーや見学の機会を作っていきますので、ぜひご参加ください。

(レポート:大竹悠介)


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埼玉ハンノウ大学では、飯能中心市街地に残る歴史的建造物&まちなみの保全活動に取り組んでいます。2022年度に開催したパネル展投票結果および活動報告を以下よりご覧いただけます。

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