天覧山駅について
皆さん、こんばんは。飯能高校 探究部顧問のMr.Mです。
以前、部員の妹紅がその昔、飯能高校の近くにあった天覧山駅について紹介してくれました。
この駅のことが個人的にずっと気になっていて、調べています。
しかし、文献をあたってみても記述はほとんどありません。
職場の同僚の先生に相談したところ、飯能市立博物館「きっとす」で埼玉県名勝指定100周年記念 特別展 天覧山が実施された際に発行されたリーフレットを紹介してもらいました。
埼玉県名勝指定100周年記念 特別展 天覧山リーフレット
このリーフレットの中では、天覧山を町の活性化として利用したい思惑と1915年に開通した武蔵野鉄道(現在の西武池袋線)側の鉄道利用者を増加したい思惑が一致したことで天覧山の観光地化が進んだ(p.24)との記述があります。
その観光地化の元となっているのは、明治45年(1912年)に日本の公園の父とも呼ばれている本多静六が設計した飯能遊覧地計画です。
そうなると天覧山を中心としたこの遊覧地計画があったからこそ1915年の武蔵野鉄道の開通に踏み切れたとも言えそうです。
このリーフレットにある特別展「天覧山」関連年表を確認すると、大正4年(1915年)に武蔵野鉄道が開通した16年後、昭和6年(1931年)に武蔵野鉄道天覧山駅が開設されたとあります。
そして昭和20年(1945年)天覧山駅は休止となり、昭和29年(1954年)10月に廃止となっています。実質23年しか存在しなかった駅となります。
飯能高校創立六十周年記念誌
飯能高校の同窓会担当の先生にも「天覧山駅のこと知りませんか〜?」と相談したところ、創立六十周年記念誌を貸していただきました。
この中に、貴重な天覧山駅の看板の写真が掲載されていました。
昭和13年の電車通学の様子の写真の下にこの天覧山駅の写真があることから、飯能高校がまだ埼玉県立飯能高等女学校だったときは、武蔵野鉄道 天覧山駅から校舎に通学する生徒がいたことが想像できます。
まだまだこの天覧山駅についての文献は探しています。もしこの記事をお読みの方で、天覧山駅について書かれた書籍などをご存知の方がいらっしゃったらご連絡をお待ちしております!
余談となりますが、天覧山近くでは、2020年に発酵のテーマパーク「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~」が営業を開始しました。
この流れを見ると、現代版の天覧山を中心とした飯能遊園地計画が見えてくるような気もします。(飯能河原もすぐ近くですしね)
歴史を振り返ってみると地域の振興のヒントになるような事例がたくさんあります。過去から学べることばかりです。
天覧山駅を調べながら日本史を学んでいくなんて素敵だと思います。
来週には武蔵野鉄道と飯能について2年生の日本史の授業でレクチャーが実施されます。私も参加して生徒と一緒に学ぼうと思っています!
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