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黙ってたって過ぎてゆく - 2020.11.4

祖父母がラインを始めた。5Gの到来と共に年末に迫った3Gの終了。近く物言わぬ箱と化すガラケーに代わり、高齢者でも使いやすいスマホの操作法を、父が一から叩き込んだらしい。両親と僕ら兄弟がいるグループに届く「おはょう」「んよお」「。ほ足てはだ。あ?」などのメッセージからは、父の苦労が透けて見える。去年、免許を返納する彼らを案じ、ネットスーパーや通販のためにタブレットを勧めたことがあった。僕とも簡単に連絡が取れると、孫パワーでなんとか押し切ろうとしたものの、新しいものへの拒否反応が強過ぎて断念。そんな彼らを動かしたのが、結局テクノロジーの波なのは、なんとも皮肉だ。

祖母は近頃色々なものを送ってくる。つい最近届いたのは枝豆。その前はメロン。その前はブドウ。別に地元の特産品でもないのだけれども、いつも美味しい食材を送ってくれるので助かっている。そしてその際、隙間を埋めるためなのか、一緒に色々と送ってくれるのだが、この同封品が中々面白い。生協のフリーズドライの卵スープ(2〜3袋だけ減ってる)、レンジでチンして食べられる赤飯(スタメン、絶対入ってる)、特級の揖保乃糸(大当たり、マジサンキュー)、スーパーでよく売ってるめんつゆ(特級は流石に良いつゆで食べたいな)などなど。ベンチャーで明日の行方も知れぬ孫を心配してくれているのか、最近は二ヶ月に一度くらいのペースで荷物が届く。特に祖母は昔から僕らに対して過保護な部分があって、中学生の頃などはそれが本当に嫌いだった。今はそれをありがたく受け取ることが孝行だということくらい分かっているし、届くのが変な荷物から、変な荷物とメッセージに変わっただけだ。

やはり使い慣れたものが良いのか、最近はラインではなくメールでメッセージが届くようになった。ラインと違い文面は問題なし。あとは1通送るたびに3通届くようになった空メールが無くなれば完璧である。

あなたのおかげで生活苦から抜け出せそうです