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肺癌闘病7日目の所感 / タグリッソの副作用

今日のnoteは文章の練習というより個人的な記録と他の肺癌患者さん(タグリッソを使っている方)のための情報共有です。


先日この記事で書いた通り、タグリッソという分子標的薬を使って肺癌の治療を行うことになりました。

治療を開始してから今日で7日目になります。しかし、タグリッソを飲んだのは最初の4日間だけです。副作用のため、5日目から休薬になっています。

3日目から右の肩と腕が猛烈に痛みだし、「あ!これは副作用だ」と思いました。それは、熱が上がっていく時のような痛みに似た筋肉痛でしたが、その何倍も痛く、しかも途切れることなくずっと痛いのです。「痛い、痛い……」とつぶやきながら、持っていた様々な鎮痛薬(なぜか5種類くらい持っていました)を弱い方から順に試し、秘蔵のボルタレン坐薬を入れるとやっとおさまりました。

インターネットで検索すると、筋肉痛はタグリッソの「その他の副作用」に分類されていました。薬を処方される時、主な副作用として説明されたのは、主に皮膚症状や下痢でしたが、筋肉痛は意外でした。英語の情報を見ると、筋肉や関節の痛みは「タグリッソによくみられる副作用」として紹介されていました。人種で出やすい副作用が違ったりするのでしょうか。よく分かりませんが。

鎮痛剤が切れるたびにやってくる痛みに、私は恐れ慄きました。当然、この痛みは服用4日目も続きました。痛い間はその痛みのことを考える以外何もできなくなるので、残り少ないボルタレン坐薬を惜しみなく投入しました。また、最初は意識していなかったものの、おしも(外膣部)の痛みも強くなってきました。これもその他の副作用一覧にありました。「おしもが痛い😢」とtweetすると、癌サバイバーの翻訳者さんが、薬の副作用によるおしもの痛みにはフェミニーナ軟膏とオシリアという肛門の軟膏が処方剤よりよく効いたと教えてくださいました。先達がいらっしゃるというのは何より心強いものですね。

これらの痛みに耐えるつもりはありませんでしたが、その一方で、この薬をやめるつもりもありませんでした。だって、タグリッソを服用し始めてから咳が止まったのです。癌の成長が止まって気管支に触れていた部分が触れなくなったとか何かあったのでしょう。効いてるんだ、と思いました。このまま癌を攻撃したい。

ですから、私がやるべきは病院に痛みを抑える薬を貰いに行くことでした。治療開始から5日目の朝、かかっている病院のがん支援センター的なところに電話をして、痛みについて相談し、診察に行ってもいいかと聞きました。いつも診察に付き添ってくれる看護師が医師に連絡を取ってくれました。その日は外来日ではなかったのに、医師が対応してくれることになり、大変ありがたかったです。

予想外だったのは、医師が「一旦タグリッソを止めてみましょう」と言ったことでした。医師の経験では、タグリッソで筋肉痛はあまりみたことがないので、この痛みが本当に副作用か確定したいとのことでした。なお、タグリッソの重篤な副作用には筋炎があります。尿検査と血液検査の結果、私の痛みは筋炎ではないと分かったので、そこは一安心でした。治療をやめたくない私は、一生懸命「英語の情報では筋肉痛は一般的な副作用とされていた」「SNSで他にもタグリッソで筋肉痛が出ている人が複数いる」と訴えたのですが、医師に「数日休んでもどうかなったりしないから」となだめられ、次の診察まで薬を服用せず様子を見ることになったのです。

服用開始から2週間後腫瘍がどれだけ小さくなっているかを楽しみにしていたこともあり、薬を中止するのはとても残念で、ポロリと涙をこぼしてしまいました。「これから長い道のりだから焦らないで」と医師は言いました。それはそれで嫌だな、と私は思いました。

筋肉の痛みに対して、医師はボルタレン坐薬と高用量のカロナールを出してくれました。タグリッソのピークは6時間、半減期は48時間です。最後に服用したのは前日の夜なので、この後少なくとも一日は痛みが続くことは確実でした。ボルタレンより強い鎮痛剤はもうオピオイド系になるので、それは躊躇しました。やっぱりビビります。

薬局では、つい数日前に処方されたタグリッソだけで高額療養費の上限に達していたため、この日の料金は発生しませんでした。「やったー」と喜ぶと、薬剤師がみんな笑いました。もらったその場でカロナールを飲みました。

それから二日経った今日は、肩と腕の痛みは大きく和らいでおり、両肩に強めの凝りを感じるくらいです。ほら、タグリッソの副作用だったではないですか。だから言ったのです。今日は鎮痛薬は必要ありませんでした。

明日、午後に再び診察があります。そこでタグリッソ再開となると思うのですが、癌を攻撃できて嬉しい半分、痛みは怖いです。とても怖いです。痛いだけでとても不幸な気持ちになりますからね。テンションダダ下がりです。また、おしもの炎症はまだ治っていません。こちらもどうにかしないといけません。さらに、他の副作用は服用開始からしばらくして出ることが多いようで、それも心配のタネになっています。痛いのイヤなんよ🥲

私は完全に癌闘病を舐めていました。服薬を始める前の不安は「毎日忘れず薬を飲めるかな」くらいだったのですが、こんなにすぐ痛い思いをすることになり、しかもそれがまだ全然序の口だという恐ろしい事実を突きつけられてしまいました。正直言って心細いし逃げ出したい。しかし、逃げるところはありません。勇気を振り絞って粛々と治療に臨み、粛々と副作用に対処していくのみです。

余談ですが、1月27日(土)23:00からEテレで肺癌サバイバーの番組をやるらしいのでぜひ観ようと思っています。



肺癌診断までの経過を書いた有料ノートです。読みものとして面白いという感想もいただいております。長いですが、たくさんの方に読んでいただけると助かります。拡散も大歓迎です。

お仕事ください。



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