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通訳が難しい話

昨年の秋から大手通訳学校のオンラインコースを受講しています。半年で1学期が終わるので、今は2期目です。レベルはプロ科の一個下です。授業についていくために、毎日1時間を予習復習(主に復習)に充てています。

毎日練習はしていますが、正直、いつか教材レベルのスピーチを初見でスラスラ訳せるようになる気は全くしません。(先生はご自身ではできるっておっしゃっていた)普段の会話レベルだったら訳せるのですが、自分が普段使わない語彙がスピーチに入ってくると対訳が分からなくてパニクってしまい、前後の文脈がとんでしまいます。さらに、内容が分かっていてリテンションできている場合でも、言語を変換する時に自然な表現として出てこないことも多いです。短期記憶と処理速度とマルチタスクの弱さが壊滅的です。音声を聞きながらメモが取れません。授業の度に、出来の良いクラスメートのパフォーマンスに恐れ慄きながら、授業が終わる頃には集中力も切れてしょんぼりしています。

復習では、授業で使った教材をリプロダクションしたりシャドウイングしたりスムーズに訳せるまで練習したりします。最初はボロボロですが、何回か繰り返すと丸暗記してしまうので、音声を聞いて訳す練習になっているのかは疑問です。それでもまだつっかえたり言い間違えたりして完璧な訳文が出てこないと、フラストレーションが溜まります。

私には、成果が確約されていないことを頑張れないという悪い癖があります。だから、ついつい考えてしまうのです。もし「能力的に」もともと私には通訳ができる素質がなかったらこの時間は無駄だよなぁって。怠け者の思考回路ですね。でも、今活躍されている通訳さんたちもみんな初めからできたわけではなく、何年も何年もの積み重ねを続けたから今があるのです。色んな通訳さんの経験談を見ても、最初は英語があまりできなかったとか、留学経験がなかったとか、私よりも厳しい立場から訓練をスタートさせた方がいっぱいいらっしゃいます。だから、自分に言い訳したり自分を疑ったりせずコツコツやるのが正解なのだと思います。

今期末、次のクラスに進級できる自信はありません。進級してもついていけるか分かんないし……。授業の教材をとても難しく感じるのは、毎回分野が違うというのもあるでしょう。現時点で、通訳としての一番の訓練は現場に出ることだと思います。社内通訳のようにその場のコンテクストを把握できる現場だったら、知らない専門用語や概念でいっぱいいっぱいになることも減るでしょうし。今のところ、諸事情で企業に就職するのは難しいのですが、将来的にどこかの企業とご縁があって社内通訳を経験できたらいいなと考えています。

それにしても、新しいスキルを身につけるというのは忍耐力が必要ですね。若い頃の私だったらもうとっくに諦めていたと思います。得意なことしかしたくなかったので。今歯がゆい思いをしながらでも努力を継続できているというのは、多少は成長したということなのでしょう。

うわーん、通訳上手になりたい!勉強頑張る😭


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