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納豆、あるいは納豆に情熱を燃やす女の話

暗い話が続きましたが、文章の練習をすべく色んなトピックについて書いていきたいたかなしです。こんにちは。というわけで、今回は納豆について書きます。

納豆は好き嫌いが分かれやすい食べ物です。私は好きです。最近は意識的に一日1~2パックを食べることを心がけています。このように納豆を食べ始めたのは、先日(まだ癌の診断が下る前に)あるYouTube動画を見たのがきっかけでした。

その動画は、"The No.1 Poo & Gut Scientist: If Your Poo Looks Like This Go To A Doctor! Dr Will Bulsiewicz [便と腸のNo.1科学者:もしあなたの便がこんな様子だったら病院へ!ウィル・ブルジウィク博士]"と題されていました。快食快便の私ではありますが、望ましくない便の状態は知っておきたい、と考えてこの動画をクリックしました。ちなみに、サムネイルの"your gut is the reason people aren't attracted to you!" とは「人々があなたに惹かれないのはあなたの腸が原因だった!」くらいの意味です。興味深いではありませんか。

さて、見始めてすぐ、私はこの動画が2時間を超えていることに気づきました。私はADHDです。当然、2時間の真面目なインタビューを最初から最後まで聴くなどということはしません。シークバーを適当にいじって、面白そうな部分を探した結果、ちょっとだけ聞いたのが「腸内細菌叢(そう)」についての部分でした。

腸内細菌叢とは、大腸に棲んでいる細菌の集合を指す言葉で、腸内フローラとも呼ばれます。博士によると、これらの細菌は非常に多様で、何を好んで食べるかも異なるので、私たちが口にするものによって、どの細菌群が活発になるかが決まります。そのため、腸内細菌叢を豊かにもじゃもじゃさせるためには、幅広い栄養素を取り込むことが重要だということでした。興味深かったのが、博士が「週に30品目」という目安に言及していたことでした。私が子どもの頃はよく「一日に30品目を目標に」と言われていました。先ほど検索してみると、この方針は近年では様々な理由で以前ほど積極的に推進されなくなっているようです。しかし、いずれにせよ、幅広い食材を摂取するのが大事だというのは変わりません。

それでは何を食べればいいのか。博士は発酵食品と発芽野菜が特に好ましいと言っていました。そこで視聴に飽きたので、私がこの動画から得た情報はそれだけなのですが、腸内細菌叢を育てるというアイデアは気に入りました。その日から、私は発酵食品と発芽野菜を必ず食べるようにしました。具体的にはキムチをはじめとする各種漬物、もやしや豆苗、ブロッコリースプラウトなどの発芽野菜、そして納豆です。

私は意志の弱い人間です。何事に関しても人目がなければ続きません。ですから、朝昼晩の食事の写真をTwitterに上げることにしています。なお、こっそり食べたおやつはこれに含まれません。

さて、私が納豆を食べ始めると、大喜びをした人間がいました。今をときめく英日字幕翻訳者、天野優未です。彼女は数年ほど前から毎日オートミール納豆卵ご飯を食べ続けています。毎日です。納豆を間食にすることもあるそうです。納豆が大好きなのです。天野さんは常日頃から隙あらば納豆の効能を説き、人々に納豆を食べさせるべく熱心な布教活動を行っています。私が納豆の写った写真をアップロードすると興奮し、食べたことを褒めてくれます。私は彼女に納豆の国のお姫様(Her Highness Princess Natto)という二つ名を授けました。まんざらでもなさそうでした。

そういうキャラでいくのね、というか、キャラ付けでもなんでもなく単に納豆が好きのようです。聞くところによると、とある集まりで一緒に朝ごはんを食べた同業者が納豆を混ぜる前にタレをいれたら天野さんにすごい勢いで説教されたそうです。めんどくせーな、納豆くらい好きに食わせろ、と思ったのですが、そこにはちゃんと理論があったようです。

これを知ってから、私も納豆をよく混ぜてからタレを入れるようになりました。どうせ食べるなら効果が高い方がいいですからね。

本当に隙あらば布教するので、教えている翻訳学校で生徒さんに納豆を押し付けたりしていないかちょっと心配です。でも、私が忘れずに納豆を食べられているのは、間違いなくHer Highness Princess Nattoのおかげなのです。もともと納豆を食べる習慣がなかったものの、彼女と関わるようになり、納豆が食生活の一部になりました。発酵食品を摂り始めてから、白米が美味しすぎて体重は少し増えましたが、なかなか快調です。

ちなみに、天野さんと私の共通の友人には、アメリカ在住で気軽に納豆が買えないので大豆から納豆を自作しているゲーム翻訳者さんもいらっしゃいます。いつかご相伴に預かってみたいものです。

納豆はいいぞ。みんな、腸内細菌叢を育てましょう!

この商品が美味しかったです。



肺癌診断までの経過を書いた有料ノートです。読みものとして面白いという感想もいただいております。長いですが、たくさんの方に読んでいただけると助かります。拡散も大歓迎です。

お仕事ください。



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