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わかりやすい!中医学の基礎Vo.14〜脾の役割〜



脾の役割

脾の定義



中医学では、『脾』とは消化吸収し、栄養物質を全身にめぐらるはたらきをもち、西洋医学でいう胃・膵臓・小腸の一部を含めたものを指します。


脾は五行の『土』と関係が深い


土と脾は関連が深い

五行では『土』と関連が深い臓です。

土は、自然界にあるもの全てをのせている基盤であり、全てのものに栄養を与えて生長や変化の源となるものです。

『脾臓』もからだにとっては『土』のように、成長と変化の基盤となるものなのです。


脾のはたらき3つ


●運化と昇清

飲食物を消化し、栄養や水分を『気血津液』の源に変化させます。また、これらを全身にめぐらせる役割をしています。

●血液の統摂:血を脈管内にとどまらせています。

●肌肉・四肢を主る


脾が元気なら肌の状態が良い

脾の運化によって栄養物質が四肢や体・内臓の筋肉・皮膚を養いわせ、動かしています。

脾の状態がわかる体表部位

【口】

脾のはたらきにトラブルがあれば
『口が甘い』『口の中がベタつく』
『口が苦い』『味がしない』などの味覚に異常が起きて食欲に影響します。

【唇】

また、唇の色は、脾から生み出される気血の状態と関係していて脾にトラブルがあれば、作られないために唇の色が薄くなったり、滋養されないので切れやすくなったり乾燥がひどくなります。

**他にも、肌や筋肉など、脾で作られた栄養素で滋養される部位には症状が現れます。

脾に起こりやすいトラブルと症状


脾気虚(ひききょ):


脾のはたらきをサポートするエネルギとなる『気』が作られていない状態

 症状

食欲がない
消化不良で胃がもたれやすい
お腹がはる 
お腹が痛い 
下痢っぽい

脾陽虚:


脾のはたらきをサポートするエネルギーとなる『気』の不足と、体の熱不足で胃腸が冷えている状態

症状
脾気虚の症状に
手足の冷えや冷たいものを食べるとすぐに下痢をするなどの陽虚の症状が合わさります。

気虚下陥(ききょげかん):

症状
脾気虚の症状に全身の疲労感、胃下垂、筋力の低下でからだが思うように動かない、ひどければ脱肛や子宮脱になることも。

その他のトラブル:

他にも、血液を血管内に止めるという脾のはたらきが低下してしまうと、『不正出血』や月経血の量が多いなどの症状も起こるとされています。

まとめ


脾の定義
脾のはたらき
脾の状態が表れる体表
脾に起こりやすいトラブル
脾に起こりやすいトラブル


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